昔のコマーシャルだっただろうか。 うろ覚えなのだが、 「「やらなかったこと」を後悔するよりも、「やって」後悔するほうがマシだ。」 というセリフを聞いたことがある。 言わんとしているのは 「だから挑戦することが大事だ」 だろう。 だが、挑戦すれば、本当に後悔せずに済むのだろうか。 プロスペクト理論でノーベル経済学賞を受賞した、プリンストン大学名誉教授のダニエル・カーネマンは、それとは異なる見方をしている。 行動して生み出された結果に対しては、行動せずに同じ結果になった場合よりも、強い感情反応が生まれるということである。この感情反応の中には後悔も含まれる。(中略) じつはここで重要なのは、行動するかしないかのちがいではない。デフォルト(既定)の選択肢と、デフォルトから乖離した行動とのちがいである。 デフォルトから離れると、デフォルトが容易にイメージされる。そこでデフォルトから離れた行動をとって