【北京=五十嵐文】中国外務省は8日、ベトナムとの領有権争いが続く南シナ海のパラセル(西沙)諸島について、「1974年以前のベトナムの歴代政府は、中国の主権になんら異議を唱えてこなかった」などとする声明を公表した。 同海域における石油掘削などを正当化するためで、「西沙諸島は12世紀に滅亡した北宋時代から中国が管轄し、海域をパトロールしていた」とも主張。ベトナム側が中国の主権を認めていたとする地図も提示した。
無音の曲などの作品で知られる作曲家ジョン・ケージの図形楽譜など、前衛的な現代芸術作品では国内屈指のコレクションを所蔵する清里現代美術館(北杜市高根町清里)が、閉館することが分かった。貴重な所蔵品が海外へ引き取られる可能性がある。(佐々木想) 同館は東京都内で美術教師をしていた伊藤信吾さん(66)が個人で集めた1960年代以降の現代美術の作品や、約1万点近い文献、関連資料などを常設展示するため、1990年に開館した。 所蔵品には、1音も演奏されないケージの代表作「4分33秒」の楽譜や立体作品、自筆の草稿のほか、既製品に署名をしただけの作品などで従来の美術の概念を覆したマルセル・デュシャン代表作の構想を描いた銅版画。「すべての人間はアーティストである」と訴え、美術を社会や政治の問題へと拡張したドイツのヨーゼフ・ボイスがパフォーマンスで用いた道具などがある。 また、1960年代を代表する前衛芸術
全国で18日に一斉発売された村上春樹さん(65)の短編小説集「女のいない男たち」(文芸春秋)の収録作「イエスタデイ」で、文芸春秋1月号掲載時にあったビートルズ「イエスタデイ」の替え歌の歌詞を、単行本化に際し大幅に削除していたことがわかった。 同作の雑誌掲載時には、登場人物の1人が「イエスタデイ」を関西弁で改作して歌うという設定の歌詞19行が記されていたが、単行本では、この歌詞の冒頭部分「昨日は/あしたのおとといで/おとといのあしたや」だけになっている。 村上さんは同書「まえがき」で、該当部分を「僕の創作」とし、「(「イエスタデイ」の)著作権代理人から『示唆的要望』を受けた。(中略)歌詞を大幅に削り、問題が起きないようにできるだけ工夫した」などと説明した。
仙台市宮城野区の日和山(ひよりやま)が、18年ぶりに「日本一低い山」の座に返り咲いた。 かつて標高6メートルの国内2番目に低いとされた日和山は、東日本大震災の津波で削られ、消滅したとみられていた。しかし国土地理院が改めて被災地沿岸の地形を測量し、3メートルの「山」と確認。これまで「日本一」だった大阪市港区の天保山(てんぽうざん)(4・5メートル)を下回った。 日和山は、野鳥が羽を休める「蒲生(がもう)干潟」や仙台湾を望む仙台市民の憩いの場で、子供たちの遊び場でもあった。しかし震災で荒れ地状態に。いまはやや盛り上がった土地の上に、市民が積んだ石と「日和山」の看板が立っている。 最新の地図(電子版)には他の山と同様、斜体字で表記された。国土地理院は「計測の際、1メートル以下の小数点は四捨五入しており、実際はもう少し高い可能性もある」としている。
中国・青島で4月下旬に開催される中国海軍主催の国際観艦式で、日本の海上自衛隊に艦船派遣を要請する招待状が届いていないことが分かった。 複数の日本政府関係者が29日、明らかにした。同時期に20か国以上の海軍トップが出席し、青島で開かれる「西太平洋海軍シンポジウム」に合わせて開催されるのに、中国はシンポジウムに出席する国の中で、日本だけを外している。米国は中国の対応に不満を示し、海自艦を招待しない場合には観艦式への米艦派遣を見送ることを含めて検討している。 この国際観艦式は中国海軍創設65周年を記念したもの。シンポジウムには、日本からも海自の河野克俊海上幕僚長が参加することになっている。 中国・南京で今年1月に開催されたシンポジウムの準備会合で、海自関係者が「国際観艦式に日本は招待されていない。招待する国としない国があるのはおかしい」などと問いただした。だが、中国側は「観艦式とシンポジウムはた
【ハーグ=中川孝之】ハーグでの25日の日米韓首脳会談で、安倍首相と韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の顔合わせがようやく実現した。会談を前に安倍首相と朴氏は、オバマ大統領が見守る中で、握手を交わした。 だが、朴氏は硬い表情が目立ち、安倍首相への警戒感は解けなかったようだ。 「お会いできてうれしい」 日米韓の首脳が横並びに座った会談冒頭。安倍首相は朴氏の方を見ながら、韓国語で語りかけたが、朴氏は斜め下を向いたまま、目を合わせようとしなかった。 朴氏は、「(会談を)主催した米国の苦労が大きかった」とオバマ氏への感謝を述べた。しかし、安倍首相に向けた言葉はなかった。取材が許可された冒頭の5分間もぎこちない雰囲気に包まれた。
ストーカー被害の防止策の一環として警察庁は4月、ストーカー規制法に基づく警告を受けた加害者らに、精神科医の受診を勧める「加害者治療」の制度を試験的に導入する。 偏った考え方や恨みを解消することで、加害行為の原因を根本から取り除く狙いで、被害者の遺族からも効果を期待する声があがる。ただ、治療を強制できないなど課題も多い。 「加害者を治療することでしか、被害者は守れない」。有識者がストーカー対策を話し合う同庁の検討会で昨年12月、男性(42)が語った。 男性の妹は、神奈川県逗子市で2012年11月、元交際相手に刺殺された三好梨絵さん(当時33歳)。元交際相手は11年6月、三好さんを脅迫した疑いで逮捕された。しかし、執行猶予付き有罪判決を受けた後、三好さんの転居先を突き止め、殺害後に自殺した。 加害者を処罰し、被害者が逃げても、凶行を防ぐことができなかった現実に、男性は「最も欠けている対策は加害
読売新聞社と早稲田大学は、1月下旬から2月にかけて、政治意識に関する全国世論調査(郵送方式)を共同実施した。 今後も政権交代があった方がよいと思う人は65%に上り、「そうは思わない」の33%を大きく上回った。日本の政治は、2012年の衆院選と13年の参院選で自民党が大勝し、「一強多弱」の状況が続いているが、政権交代が可能な状況を望む人が多いことを示している。 支持政党別にみると、政権交代が今後もあった方がよいと答えた人は、与党の自民、公明両党の支持層でも5割近くに上り、民主支持層では9割を超えた。日本維新の会支持層と無党派層では8割前後だった。 今後の政党政治のあり方について聞くと、「2つの大きな政党と複数の小さな政党が存在する」のが最も望ましいと答えた人が56%となり、2大政党制を望む人が半数を超えた。自民党に対抗するために、今の野党がなるべく大きな勢力にまとまった方がよいと思う人は53
伊東マンショとみられる肖像画(個人蔵、画像はトリブルツィオ財団提供)。裏面に「D. Mansio Nipote del Re di Figenga Amb(ascitor)e del Re Fra(nces)co Bvgnocingva a sva San(tit)a」と記される ※かっこ内は当時の省略表記を補った文字 伊トリブルツィオ財団の文書保存・管理担当職員、パオラ・ディリコさん(41)が調査し、18日発行される同財団の学術誌に論文を発表する。1585年、ベネチア訪問時の姿を、当時の大画家ティントレットの息子であるドメニコ・ティントレット(1560~1635年)が描いたと位置づけている。 この油彩画は縦54センチ、横43センチ。伊北部在住の個人の所蔵といい、そのコレクションの整理に携わったディリコさんが2009年に確認。スペイン風の衣装を着た東洋風の青年が描かれ、裏側に「Mansio
【ソウル=中川孝之】韓国大統領府の●庚旭(ミンギョンウク)報道官は17日、3月下旬のオランダでの核安全サミットの際、韓国が日米韓首脳会談に応じる条件について、「日本が歴史問題などの懸案について、誠意ある措置を速やかに取らなければならない」と述べた。(●は門構えに、中が「文」) 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は15日、安倍首相がいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる河野談話の継承を明言したことを評価した。だが、報道官の発言は、首脳会談実現には、慰安婦問題などで日本が追加の対応を取る必要があるとの認識を示したとみられる。 報道官は首脳会談については、「具体的に決まったものは何もない」と語った。その上で、「日本が誠意ある姿勢を見せ、建設的な対話ができる準備が整えば、韓国が対話しない理由はない。韓国政府は対話のための対話より、生産的な結果を得られる対話が重要だと考える」と強調した。 韓国の報道では、安倍首
16日午後、横浜市磯子区の20歳代の女性が神奈川県警磯子署を訪れ、「子供2人を預けたベビーシッターと連絡が取れない」と通報した。 県警の捜査員が、ベビーシッターの20歳代の男が住む埼玉県富士見市のマンションを訪れたところ、2歳くらいの男児が死んでいるのを発見した。室内には一緒に預けられていた生後8か月の男児もいて、病院に搬送された。県警は男の身柄を確保しており、任意で事情を聞いているが、黙秘している。 県警幹部によると、女性は14日夕方頃、同区のJR根岸線新杉田駅付近で、30歳代の別の男性ベビーシッターに長男と次男を預け、約2時間後にこの男性ベビーシッターが、20歳代のベビーシッターに横浜駅近くで2人を引き渡していた。 女性は、インターネットのベビーシッター紹介サイトを利用して、16日まで預かってもらう予定で申し込んでいた。
今月8日にサッカーのJ1リーグ、浦和レッズ―サガン鳥栖戦が行われた埼玉スタジアム(さいたま市)で人種差別とも受け取れる垂れ幕が掲げられた問題で、Jリーグから無観客試合開催などの処分を受けた浦和は13日、浦和サポーターが横断幕や旗などを掲げることを全試合で当面禁止すると発表した。 さらに垂れ幕を作成した3人が所属する応援グループの約20人を、浦和の全試合で無期限の入場禁止とし、淵田敬三社長は、役員報酬の20%を3か月間自主返納する。 垂れ幕は「JAPANESE ONLY」(日本人のみ入場可)と書かれ、熱心な浦和サポーターが陣取るゴール裏観客席の入場口に、グラウンドとは反対向きに掲げられた。作成した3人は浦和の調査に対し、「ゴール裏は自分たちのエリア。他の人たち、特に外国人が入って来るのは困る」などと説明したという。
競馬の予想ソフトを使って馬券を大量購入し、配当で得た約29億円の所得を申告しなかったとして所得税法違反に問われた元会社員の男性(40)の控訴審初公判が12日、大阪高裁であった。 1審・大阪地裁判決は有罪とする一方、所得から控除できる必要経費に外れ馬券分も認め課税額を大幅に減額しており、検察側は「控除できるのは当たり馬券分だけ」と控訴理由を述べた。弁護側は控訴棄却を求め即日結審。判決は5月9日。 昨年5月の1審判決は、懲役2月、執行猶予2年(求刑・懲役1年)としたが、「男性は娯楽ではなく、資産運用として競馬をしていた」と指摘。馬券の購入方法は機械的、網羅的で利益を得ることに特化していたとして先物取引などと同じ「雑所得」とし、課税額を約5億7000万円から約5200万円に減額した。 控訴審で、検察側は「馬券配当は、偶発的に得られたため一時所得として扱うべきだ」とする租税法学者の意見書を証拠提出
2月に関東甲信を中心に2度にわたって降った記録的な大雪の際、東京都内で雪が原因で起きた車の人身事故のうち、タイヤの種類が判明したほぼ半数が、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンを装着していなかったことが、警視庁のまとめでわかった。 同庁は、積雪があった2月8日~10日と、同14日~16日に都内で発生した人身事故計237件を分析。雪が原因の事故は47件を数え、車に巻き込まれた歩行者を含め、52人が負傷した。 タイヤの種類がわかった26件のうち、8件でスタッドレスタイヤ、3件でチェーンを装着していたものの、15件はノーマルタイヤのままだった。
東京都内の栄養補助食品製造販売会社「シャブロン」が、抗がん作用のある医薬品として健康食品を販売したとされる事件で、県警は10日、東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎容疑者(74)(杉並区)を薬事法違反(無許可販売ほう助)容疑で横浜地検に書類送検した。 発表によると、藤田容疑者は同社と顧問契約を結んでいた2009年6月~13年10月、同社製品「CBプロポリス粒」などについて、「がん細胞を死滅させる」などとする解説文を書き、医薬品の無許可販売を手助けした疑い。同社は解説文をチラシや雑誌の広告に利用していた。 藤田容疑者は人間総合科学大の教授でもあり、専門は免疫学。寄生虫に関する著書が多く、「寄生虫博士」として知られる。取材に対し、他の研究者の論文などでハチの巣から抽出するプロポリスの知識を得て原稿を書いたと説明。「効能効果を特定の商品と結びつけて論じることが薬事法に触れると認識していたが、断れ
J1の浦和―鳥栖戦が行われた埼玉スタジアムで8日、「JAPANESE ONLY(日本人のみ入場可)」という人種差別ととれる垂れ幕が掲げられた問題で、浦和の淵田敬三社長は10日、都内のJリーグ事務局を訪れ、掲示した人物を特定して事情を聞いていることなどを報告した。
山口県岩国市出身の陸軍元帥・長谷川好道(1850~1924年)が朝鮮半島から持ち帰り、同市横山の紅葉谷公園に移築された歴史的建築物「六角亭」について、元々の所在地の韓国・高陽(コヤン)市が返還を求めていることが分かった。 所有する岩国市は「双方が満足できる解決策を見いだしたい」とするが、日韓関係がぎくしゃくする中、対応に苦慮している。 岩国市によると、六角亭は李氏朝鮮時代の宿泊施設「碧蹄館(へきていかん)」にあった建物で、16~17世紀の建築とされる。日本統治時代の1918年、第2代朝鮮総督を務めた長谷川元帥が持ち帰った。市は85年に瓦のふき替えや柱の補修など全面改修を実施。文化財などの指定は受けていない。 高陽市が返還を求めてきたのは昨年2月。「碧蹄館の復元を計画している」などとして六角亭の返還を求める市長の手紙を副市長が持参し、岩国市側に手渡した。高陽市議会も昨年4月、早期返還を求める
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