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ブックマーク / blog.livedoor.jp/yamasitayu (4)

  • 児玉真美『安楽死が合法の国で起こっていること』(ちくま新書) : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    12月21 児玉真美『安楽死が合法の国で起こっていること』(ちくま新書) カテゴリ:社会8点 相模原障害者施設殺傷事件、京都ALS嘱託殺人事件、そして映画『PLAN 75』など、日でもたびたび安楽死が話題になることがあります。 安楽死については当然ながら賛成派と反対派がいますが、賛成派の1つの論拠としてあるのは「海外ではすでに行われている」ということでしょう。 著者は以前からこの安楽死問題について情報を発信してきた人物ですが、著者が情報発信を始めた2007年頃において、安楽死が合法化されていたのは、米オレゴン州、ベルギー、オランダの3か所、それとスイスが自殺幇助を認めていました。 それが、ルクセンブルク、コロンビア、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア(一部を除く)、スペイン、ポルトガルに広がり、米国でもさまざまな州に広がっています。 では、そういった国で実際に何が起こっているのか?

  • 小島庸平『サラ金の歴史』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    4月14 小島庸平『サラ金の歴史』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 アコムのラララむじんくん、アイフルのチワワのくぅ~ちゃん、武富士ダンサーズ。一定以上の年齢の人であればテレビCMがサラ金(消費者金融)のCMによって埋め尽くされていた光景を覚えていることと思います。 しかし、このサラ金の隆盛は2006年に制定され10年から完全施行された貸金業法改正によって終わりを迎えます。 サラ金を扱った新書というと、日弁連の会長も務め都知事選にも出馬した宇都宮健児がその問題を告発した『消費者金融』(岩波新書、2002年)という優れたがありました。しかし、書はそうした告発のためのではなく、あくまでもサラ金を歴史の対象として扱い、「なぜ拡大できたのか?」「どのような人が利用したのか?」「なぜ厳しく規制されるに至ったのか?」ということを読み解いています。 このサラ金の歴史からは、サラ金業者の

  • 清水真木『感情とは何か』(ちくま新書) 5点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    6月14 清水真木『感情とは何か』(ちくま新書) 5点 カテゴリ:思想・心理5点 「感情とは何か」というタイトルはありきたりですが、サブタイトルの「プラトンからアーレントまで」を聞くと、「おやっ?」と思う人が多いと思います。 まず、「感情とは何か」というタイトルからは心理学のを想像する人が多いでしょうし、ある程度、哲学に詳しい人でもプラトンとアーレントという名前には、「おやっ?」と思う人が多いと思います。感情について思索を重ねた哲学者は多いですが、プラトンもアーレントもその分野のメジャーどころとは言えないからです。 ですから、の切り口としては成功していると思います。 実際は、プラトンとアーレント以外にも、ストア派、デカルト、マルブランシュ、ヒュームなど、感情について考えたメジャーな哲学者も扱っているので、それほど突飛な構成というわけでもないのですが、最後にアーレントを持ってきたことで、

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  • 戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    3月27 戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 カテゴリ:思想・心理9点 「哲学入門」というと、ソクラテスやカントなどの大哲学者の思想を解説したか、あるいは「私が死んだら世界は終わるのか?」、「なぜ人を殺してはいけないのか?」といった、多くの人が一度は感じたであろう疑問から、哲学的思考に誘う、といったスタイルが思い浮かびますが、この戸田山和久の「哲学入門」はそれらとはまったく違います。 今までの哲学的な問に対して、科学的世界観によって、それに答えたり、あるいはそれを解体したりしながら、「神は死んだ(ニーチェもね)」という言葉とともに世界の謎を解き明かそうとしたです。 主にとり上げられる哲学者はミリカン、ドレツキ、デネット。デネット以外はあまり知られていない哲学者でしょう。しかもこのは400ページ超のボリュームがあります。というわけで「読みきれるのか?』と思う人もいるかもしれませ

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