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ブックマーク / webgenron.com (12)

  • 【特別掲載】百年の危機|ユク・ホイ  訳=伊勢康平

    コロナウイルスの流行をめぐって、各国の哲学者たちが声明や文章を発表しています。『ゲンロン』で「芸術と宇宙技芸」を連載し、昨夏にゲンロンカフェにも登壇したユク・ホイは、ヨーロッパでの感染と感染対策が広まる4月に"One Hundred Years of Crisis"と題する論考を発表しました。1919年にポール・ヴァレリーが発表した「精神の危機」から100年後に起きた今回のコロナ危機は、世界史にとってどのような意味を持つのでしょうか。そして西洋的な科学一元論に陥らず、単なるオルタナティブとして東洋を見出すのでもない方法で、このグローバルな危機を乗り越えるためには、どのような思想が必要なのでしょうか。つねに東洋と西洋のあいだで思考してきたユク・ホイによるこの論考を、ゲンロンαで急遽、全文訳出することにしました。東浩紀による「コロナ・イデオロギーのなかのゲンロン」ともあわせてお読みください。ま

  • AIが「考えない」ことを考える──「生成系AIが変える世界──『作家』は(/今度こそ)どこにいくのか」イベントレポート

    2023年2月10日と3月5日の2回にわたり、ゲンロンカフェにて「生成系AIが変える世界」が開催された。登壇者はプログラマー・実業家の清水亮、物語評論家のさやわか、東浩紀の三氏である。 2022年から2023年にかけて、Midjourney や ChatGPT などの生成系AIが登場し、世間の話題をさらった。清水は2022年9月にAI作画サービス「Memeplex」をいちはやく公開し、自身の noteAI画像のみを用いたマンガ作品を公開するなど、積極的な発信をおこなっている。生成系AIはどのような技術によってつくられ、わたしたちの世界をどう変えていくのか。計15時間にもわたる議論が展開された。 清水亮×さやわか×東浩紀「生成系AIが変える世界──『作家』はどこにいくのか」 URL= https://shirasu.io/t/genron/c/genron/p/20230210 清水亮×

    AIが「考えない」ことを考える──「生成系AIが変える世界──『作家』は(/今度こそ)どこにいくのか」イベントレポート
    rodori
    rodori 2023/07/14
  • 歴代「人文的大賞」受賞作、総振り返り!

    2023年12月29日、今年もあの「『人文的、あまりに人文的』な人文書めった斬り!」イベントがやってくる。人文書を知り尽くした登壇者3人が、その年に刊行された膨大な人文書を振り返る、いわば人文系読者たちの「大忘年会」だ。イベントの最後には、そのなかからとくに優れた著作(あるいは著者)に「人文的大賞」が贈られる。登壇と選考を務めるのはライター・編集者の斎藤哲也、文筆家・ゲーム作家の山貴光、文筆家・編集者の吉川浩満の3人。2016年に始まったこのイベントは、今年で8回目を数える。毎回、3人あわせて数百冊から1000冊超にまでおよぶリスト(!)よりさまざまな書籍が紹介される、とにかく人文的なイベントである。 そんな人文大忘年会にそなえて、以下では過去7年の受賞作すべてのかんたんな振り返りをお届けする。(編集部) 2021年のイベントの様子 人文的大賞とは 登壇者の3人は、もともと家(?)紀伊

    歴代「人文的大賞」受賞作、総振り返り!
  • 【書評】面白過ぎる既存「ブンガク」の破壊者──佐川恭一『シン・サークルクラッシャー麻紀』評|古谷経衡

    極めて優秀な小説というのは大体において書き出しで決まる。「飛行機の音ではなかった。耳の後ろ側を飛んでいた虫の羽音だった」。『限りなく透明に近いブルー』の書き出しである。これで芥川賞は決まった。筆力の弱い書き手は第一撃が脆弱だ。書き出しの印象は小説の最終段落まで影響を与える。これ以上ない、という書き出しは読者に猛烈な印象を与えて鮮明な映像を提供し続ける。これと同じ現象が佐川恭一『シン・サークルクラッシャー麻紀』(破滅派、2022年)で起こった。「サークルクラッシャー麻紀の朝は早い」。この書き出しを以て作は不朽の名作であることが決定づけられたと考えてよい。 数年に一度、これは面白過ぎて危険だ、という作品に出合うことがある。近年のそれは西村賢太の『小銭をかぞえる』(2008年)だった。それ以来、久しぶりに面白過ぎて危険な作品に出合った。サークルクラッシャー。なるほど大学のDT気質が溢れるサーク

    【書評】面白過ぎる既存「ブンガク」の破壊者──佐川恭一『シン・サークルクラッシャー麻紀』評|古谷経衡
  • 【書評特別篇】宇宙を狂気から救う哲学──ユク・ホイ『再帰性と偶然性』評|石田英敬

    2022年8月30日、ユク・ホイ『中国における技術への問い』がゲンロンより刊行されました。ユク・ホイの邦訳としては、『再帰性と偶然性』が青土社より2月に刊行されています。以下に公開するのは、石田英敬さんによる『再帰性と偶然性』の書評です。書籍の紹介をはるかに越え、ユク・ホイの哲学全体を、そして現代のサイバネティクス化したメディア環境を射程に収めた論考を寄せていただきました。ホイの哲学への入り口として、ぜひ『再帰性と偶然性』、『中国における技術への問い』とともにお読みください。(編集部) いまユク・ホイの仕事が世界の哲学に静かな熱狂をもたらしつつある。その波の拡がりは従来の西欧哲学の伝播経路とは少し異なっている。香港から出発し、ロンドン・ゴールドスミス・カレッジを経て、パリのポンピドゥーIRIで修行。その後、ドイツや香港、あるいは杭州で教えるという、人の移動軌跡も型破りだが、受容の方も、ロ

    【書評特別篇】宇宙を狂気から救う哲学──ユク・ホイ『再帰性と偶然性』評|石田英敬
  • 人間の顔が見える「シラス」 始動1年を振り返る

    稿は、2021年11月11日に、桂大介さん(シラスCTO)と東浩紀に対してゲンロンカフェで行われたインタビューをまとめたものです。インタビューを実施した媒体での掲載が見送られることになったため、ゲンロンαで公開いたします。 ── そもそも、シラスという動画配信サービスはどのような経緯で立ち上がったのでしょうか。 東浩紀(以下、東) シラスのような動画プラットフォームが必要だとは、5年くらい前から考えていたんです。 動機は非常にシンプルで、「自社配信プラットフォームを持っていたら自由な言論活動ができる」くらいのものでした。 僕たちは長く、ずっとニコニコ動画(ニコ生)を中心に動画配信をしてきました。しかし2010年代半ば頃から、言論や文化系の番組を配信する公式チャンネル「ニコ論壇」がなくなったり、「ニコニコ超会議」でも討論ブースが縮小していったりと、言論コンテンツに対するニコニコ動画の方向性

    人間の顔が見える「シラス」 始動1年を振り返る
  • ウクライナ・ロシア 関連コンテンツ集

    ゲンロンは、ウクライナロシアについて、これまで多くの記事を公開し、イベントを開催してきました。昨今の情勢に鑑み、それらのコンテンツを集約し紹介する特集ページを作成しました。有料会員のみ閲覧可能な記事についても、期間限定で無料で公開しています。イベント動画のアーカイブはすべて有料です。 ゲンロンは、ウクライナロシアについて、これからも独自の観点から情報を発信していきます。

  • 愛について──符合の現代文化論(11) 新しい符合の時代を生きる(1)|さやわか

    近年は政治の場面で、「多様性」について語られる機会が増えた。 来、ダイバーシティの和訳とされるこの言葉は、宗教、思想、年齢、学歴など、幅広い背景を持った人々がお互いに認め合い、協調することを念頭に置いたものだ。だが現在の日においては、とりわけ人種や国籍、性別と結びつけて語られることが多い。たとえば出稼ぎ労働者や移民など在日外国人の処遇、あるいはジェンダーの平等や同性婚などの話題とセットで使われがちだ。 2021年10月に行われた第49回衆議院議員総選挙でも、多数のメディアが各党の「多様性・ジェンダー平等」関連の公約を報道した。この話題への人々の関心は、それほどまでに高まっていたと言える。 ただ、だからと言ってこの選挙で、ジェンダー平等や多様性の尊重を強く訴えた候補者が数多く当選したわけではない。それどころか、当選者の女性比率は9.7パーセントで、公示前の女性議員率を下回る結果となった。

    愛について──符合の現代文化論(11) 新しい符合の時代を生きる(1)|さやわか
  • 【 #ゲンロン友の声|022 】「35歳問題」について教えてください

    35歳問題について。 東さんはじめまして。20年ほど東さんの読者をしている者です。 いきなり私的な話で恐縮ですが、私は2021年に35歳になりました。まだ子供はいませんが、とは非常に仲がよく、生活はとても安定しています。20代のころは、焦燥感や不全感に悶々とすることもありましたが、最近ではそうした悩みは一切なく、平穏に暮らしています。はっきり言ってしまえば、私は現状に何の不満もない人間です。 ただ、最近になって、よく分からない寂しさ、辛さのようなものを感じるようになりました。うまく言葉にできないのですが「ああ、人生ってこういうふうに “閉じていく” んだな」という感覚です。私は東さんの著作を長年拝読しているので、この感覚が「35歳問題」なのだろうと理解しています。 そこでお伺いしたいのですが、現在、50歳の東さんは「35歳問題」をどう捉えてらっしゃいますか? その後、考えに変化はあったで

    【 #ゲンロン友の声|022 】「35歳問題」について教えてください
  • 近代の謎としての「美的なもの」に迫る──小田部胤久×宮﨑裕助「カント『判断力批判』からみる美学史と現代思想」イベントレポート(関西弁)

    11月27日に行われたカント『判断力批判』(岩波書店版、作品社版)イベントについてレポートするで。関西弁はこのまえの國分功一郎さん登壇回のレポートで使ってみてなかなか好評やったから、いけるとこまでナチュラルに使ってみることにしたんや。今回の登壇者のおふたりにも承諾もらってるで[★1]。 今回のイベントは、小田部胤久さんが今年9月に出した『美学』の刊行記念イベントや。このは480頁の大著で、『判断力批判』の注釈でもあり(A)、そこに出てくるトピックに沿って古代からカントまで(B)とカントから現代まで(C)の美学史を辿るっていう三重構造が全10章を貫いてるえらいやねん(つまりぜんぶで3×10=30の話題があるってことになるな)。 対談相手を務めたんは宮﨑裕助さん。近著『ジャック・デリダ――死後の生を与える』やその刊行記念イベントもめっちゃ評判やったけど、博論をもとにして2009年に出した

    近代の謎としての「美的なもの」に迫る──小田部胤久×宮﨑裕助「カント『判断力批判』からみる美学史と現代思想」イベントレポート(関西弁)
  • 埼玉に見るオルタナティブな日本──原武史×藤村龍至×東浩紀「さいたまの過去と未来」イベントレポート

    埼玉の過去と未来にこそ、オルタナティブな日の姿があるのかもしれない。  近年では映画『翔んで埼玉』の大ヒットも記憶に新しい埼玉。映画では誇張して描かれる埼玉への「ディス=自虐」が埼玉県民を含む世間に大ウケしたしたわけだが、そんなイメージの裏に潜む日近代史のオルタナティブな姿とはいったいどのようなものなのか。そして埼玉からこそ見えてくる日の未来とは――。  ともに「埼玉」と浅からぬ縁を持つという政治学者・原武史と建築家・藤村龍至を東浩紀が迎え、埼玉について語りつくすイベントがゲンロンカフェで行われた。第1部では原を中心に埼玉の過去が深く掘り下げられ、第2部では藤村が埼玉の未来を熱く語った。その模様をレポートする。(ゲンロン編集部) 埼玉は二度「負けた」のか なぜ埼玉なのか。東はイベント企画の趣旨を以下のように説明した。  原の著書に、神道思想史の研究から近代日の裏側に迫った名著『〈出

    埼玉に見るオルタナティブな日本──原武史×藤村龍至×東浩紀「さいたまの過去と未来」イベントレポート
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