【BOOKセレクト】山野井泰史著「アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由」 2014年11月10日15時0分 スポーツ報知 世界的登山家・山野井泰史さん(49)の「アルピニズムと死 僕が登り続けてこられた理由」(ヤマケイ新書、821円)が発売即重版となり、話題を呼んでいる。数々の難峰、垂直の岩壁に挑みながら生還し続けたクライマーは「山での限界はギリギリにいて面白いもの。超えてはいけないんです」と語る。(北野 新太) 3月、山野井さんのもとに友人クライマーの訃報が届いた。胸を襲ったのはショックと悲しみ、そして後悔だった。 北アルプスの鹿島槍ケ岳で滑落死した野田賢(まさる)さん(享年31)は昨年6月、ペルー・アンデスのプスカントゥルパ東峰南東壁初登を達成した時のパートナーだった。「もっと、死に対する意識を野田君に伝えなきゃいけなかったんです。でも、キラキラと輝いている彼に、伝えることが