サーバメーカー、SIer(システムインテグレーター)、通信事業者など、今や多くのベンダーが注力して取り組むクラウドコンピューティング。次世代の企業システムに変革をもたらすものとして期待されているものの、実際に企業システムに適用し、ビジネスに活用している事例はまだ少数だ。そうしたベンダーが多い中、“絵に描いた餅”ではないとばかりに自社のシステムに取り入れ、国内はもとより世界でも有数規模のクラウド環境を運用しているのが日立製作所だ。同社では、日立グループの20万ユーザーを対象にクラウド環境をベースにした「日立クラウド」を構築。その構築・運用実績を基にしたクラウドソリューション「Harmonious Cloud」を提供している。 連載インデックス プライベートクラウドソリューション最前線 自社の情報システム改革から始まったクラウドへの取り組み これまで企業の情報システム部門は、各事業部門の依頼に
サントリーグループは新たにプライベートクラウド基盤を構築し、既存の業務システムの一部を移行させた上で運用を開始した。これを皮切りに、業務システムが稼働しているサーバーのうち、約6割をプライベートクラウドに移行していく。 移行対象とする既存システムのサーバーについては、従来の約2割にまで物理的な台数を減らし、コストを削減する。同時に、各システムのリソース増強や信頼性の向上も図る。また、サーバーの電力消費量を減らし、グループを挙げて取り組んでいるCO2排出量の削減にもつなげる。 クラウド基盤の構築およびシステムの移行作業は、グループ会社のサントリービジネスエキスパートとサンモアテックが富士通と共同で実施した。仮想化ミドルウエアはVMware、ブレードサーバーには富士通の「PRIMERGY BX900」をそれぞれ採用した。
NECは2011年1月17日、プライベートクラウド構築向け新サービス「RIACUBE-V」を4月から提供開始すると発表した。リソースプール化された、サーバーやストレージ、ネットワークを1カ月単位で利用できる。世界主要地域に展開することで、グローバル企業のニーズにもこたえる。 RIACUBE-Vを使い、NECのエンジニアがユーザー企業のプライベートクラウド(IaaSやPaaS)や、クラウドサービスを構築する。基本サービスとオプションサービスから成り、ユーザー企業は基本的に初期費用無しで利用できる。 基本サービスでは、仮想サーバーのスペックとOSの種類、ストレージ容量、ファイアウォール種類を選ぶ。仮想マシンのスペックは6段階を用意。最低が0.25コア/メモリー1Gバイト、最高が6コア/同24Gバイトである。OSはWindowsまたはLinux。ストレージは10Gバイト単位で増設可能だ。 ハード
メインフレーマーからサービスプロバイダーへ、時代のシステム環境に合わせてダイナミックにビジネスを展開するのが日本ユニシスだ。同社では、クラウドコンピューティングが広く認知される前からコンピューティングインフラ(IaaS:Infrastructure as a Service)を提供する「ICTホスティングサービス」を提供していた。同サービスは、サービスの実行基盤を提供するPaaS(Platform as a Service)、アプリケーションをサービスとして提供するSaaS(Software as a Service)のプラットフォームとしても利用されている。既に金融・流通・小売業界などで、クラウド環境を利用した導入事例を数多く持っている。そして2011年の初めからは、オンプレミス型システムにクラウド環境を用意する、新しいプライベートクラウド構築サービスも開始する予定だ。 連載インデックス
ユーザーはプライベートクラウドとAzureを区別せず1つのシステムとして運用できる NTTコミュニケーションズ ITマネジメントサービス事業部 サーバマネジメントサービス部 基盤サービス部門 担当課長 蝋山 伸幸氏 NTTコミュニケーションズは、同社のプライベート・クラウド・サービス「Bizホスティング エンタープライズ」と、マイクロソフトの「Windows Azure Platform」を基盤としたパブリック・クラウド・サービスが連携する“ハイブリッド・クラウド・サービス”を、2011年3月までに開始する。ハイブリッドクラウドの概要と利用イメージについて、同社 ITマネジメントサービス事業部 サーバマネジメントサービス部 基盤サービス部門 担当課長の蝋山伸幸氏に話を聞いた。 当社のプライベート・クラウド・サービス「Bizホスティング エンタープライズ(BHE)」と、マイクロソフトのパブリ
NTTコミュニケーションズの「Bizホスティング エンタープライズ」は、同社のクラウド基盤「BizCITY」をベースに仮想化技術を活用した企業システム向けホスティングサービスである。 2010年10月の機能強化では、従来から提供している仮想サーバー基盤サービスやオンデマンドリソース割り当て、アプリケーションホスティングに加え、パブリッククラウドと自社運用(オンプレミス)サーバーを連携させる「ハイブリッドクラウド」の構築・運用を実現した。 ユーザーは、業務要件に応じて、Bizホスティング上のプライベートクラウドでアプリケーションを実行したり、オンプレミスサーバー上のアプリケーションとパブリッククラウドの機能を連動させるといったシステム構築・運用が可能。 専門エンジニアがBizホスティング上のプライベートクラウドと、オンプレミスサーバー、そしてパブリッククラウドの各リソースを一体的に管理するの
企業ユーザーがパブリッククラウドの導入に不安を感じる理由 第1回「エンタープライズクラウドを構成する4つの利用モデル」では、エンタープライズクラウドを構成する4つの利用モデルについて解説した。第2回では、この4モデルに定義されていない5つ目の利用モデル「仮想プライベートクラウド」について解説する。 パブリッククラウドの企業での導入は進みつつあるが、導入に不安を感じている企業ユーザーも多い。第1回で概要を紹介したように、パブリッククラウドは企業のファイアウォールの外側に構築される形態で、インターネットを介して不特定多数の企業や個人ユーザーにコンピュータリソースを提供するサービスである。 パブリッククラウドのメリットは、短期間で高機能なサービスをさまざまなデバイスから利用できること。また、低コストで利用でき、運用管理の負担が少ない。利用に応じて課金される従量制課金が一般的で、繁忙期や閑散期など
HPが、プライベートクラウドを約30日で構築できるというターンキー型サービス「CloudStart」を発表した。 米Hewlett-Packard(HP)は8月30日(現地時間)、プライベートクラウド構築のための包括的なパッケージサービス「CloudStart」を発表した。企業は同サービスを利用することで30日間でプライベートクラウドを構築できるとしている。 CloudStartは、同社のストレージやブレード、クラウド構築自動化ソフト「HP Cloud Service Automation」、サービスなどで構成されるデータセンター向け統合インフラ「HP BladeSystem Matrix」をベースにしており、企業のプライベートクラウド構築の簡易化・高速化をサポートするという。自動化ソフトにより、企業はプロビジョニングに要する時間を従来より80%、コンプライアンス管理に要する時間は70%削
クラウドセキュリティにコストをかける覚悟はあるか:セキュリティ、そろそろ本音で語らないか(16)(1/3 ページ) 「社内にデータを置きたい」で喜ぶのはユーザーだけではない ITに関する話題は、まさにクラウド一色といってもいいでしょう。そしてここ最近、クラウドのセキュリティについても同時に語られることが多くなりました。 クラウドのセキュリティ上の問題として、データが海外に置かれる、あるいはどこにあるか分からないことが挙げられます。データが漏えいしてしまったり、データが消滅してしまった場合の法的対処を、相手国で行うことが困難である点が問題とされます。 そのような心配をする声が増えてきたために、一部のパブリッククラウド業者では、日本国内にサーバを設置するような動きが見られます。米国でも、政府関連でのパブリッククラウドの利用であっても、サーバの場所や運用者の国籍についての要求が出されるようになっ
プライベートクラウドのネットワークは、従来以上の拡張性、信頼性、安全性というインフラとしての基本的な役割に加えて、クラウド特有となる利用者のオンデマンドな要求に対応しなくてはなりません。この要求仕様を満たすためには、従来のネットワークの機器選定、ネットワークのアーキテクチャー、そして運用を考え直す必要があります。 こうした背景を踏まえて今回は、特にプライベートクラウドのネットワークの構築に向けた機器の選定からネットワーク設計、運用のポイントを紹介していきます。 プライベートクラウドの課題 まずはプライベートクラウドのネットワークに触れる前に、米国国立標準技術研究所によるクラウドコンピューティングの定義を元に、従来のデータセンター構築との違いについて考えてみましょう。 定義に従えば、クラウドコンピューティングでは、従来のデータセンターのネットワークに加えて、利用者のオンデマンドな要求に従って
プライベートクラウドを構築するに当たって、ネットワークは数年先を見据えて準備をしておくべきものです。ただし、従来の一般的なネットワーク技術や、その場しのぎで構築した設備では、プライベートクラウドのインフラとしての要件に合うとはいえません。今までのネットワークと違った点を認識し、構築する必要があります。例を三つ挙げます。 ・プライベートクラウドは、ユーザーに資源の場所を意識させないなかで、災害対策を施されている必要があります。しかし、メインのデータセンターで稼働しているサーバーと、待機系のデータセンターで稼働しているサーバーが同じIPアドレスを持ち、災害対策時には最低限の対応で切り替えができる機能を持つ高可用性を意識したデータセンターはまだ少ない状況です。 ・法規制の順守やTCO削減のために、ますますプライベートクラウドを形成するデータセンターにデータが集中し、重要性が増しているにもかかわら
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く