中華丼や釜飯、串揚げの具などに欠かせないウズラの卵。 福岡県の小学校で2月、水煮を喉に詰まらせたとみられる死亡事故が起き、学校給食での使用を見合わせる動きが広がった。全国の6割以上を生産する愛知県では、加工メーカーの在庫が山積みになり、親鳥の飼育を減らす農家も出てきた。地元自治体は支援を呼び掛けている。 「新型コロナの一斉休校も苦しかったが、今回はトンネルの出口が見えない」。大手加工メーカー「天狗缶詰」(名古屋市)の担当者は深刻そうに話す。同社によると、ウズラの卵の水煮の給食向け出荷数は事故後、大幅に減少し、6月は昨年の約6割にとどまった。愛知県豊川市の工場倉庫には、出荷が滞った商品の在庫が積み上がり、同月末時点で昨年の約1.8倍に達した。 国内唯一のウズラ専門農協「豊橋養鶉農業協同組合」(同県豊橋市)では、卵の水煮約300万個を保管できる倉庫が満杯になり、組合員に5月、生産調整を要請。親