「人間は考える葦である」で有名なパスカルの『パンセ』。僕の好きな遠藤周作が「わたしの古典」(『春は馬車に乗って』文春文庫、68頁以下)として挙げているのを見て、読んでみました。ジッド『狭き門』(読書録427)でアリサが何度も『パンセ』を引用していたのも印象に残ってます。本書は、前田陽一・由木康訳。 ・パスカル(Pascal, Blaise) 1623-62。フランスの数学者、物理学者、哲学者。幼少のころから数学に天分を発揮、16歳で『円錐曲線試論』を発表し世を驚嘆させる。「パスカルの原理」を発見するなど科学研究でも業績をあげる。後年は「プロヴァンシアル」の名で知られる書簡を通して、イエズス会の弛緩した道徳観を攻撃、一大センセーションをまきおこした。主力を注いだ著作『護教論』は完成を見ることなく、残されたその準備ノートが、死後『パンセ』として出版された。 ▼本書の内容 未完成のキリス