記事:平凡社 写真:柳 裕子 書籍情報はこちら 「わかる」とは 東畑:こんばんは。まず僕の感想から始めたいと思います。『心の病気ってなんだろう?』では、「わかる」がテーマになっています。つまり、「精神疾患を持っている人の世界がわかる」のがテーマ。そこには、「わかることそのものがケアになる」という前提があります。 一般的には、心の治療や援助は、なにかしてあげるとか、なにか介入をすることだと思われがちだけど、その前に「わかる」ことが、すべての援助の根底にあります。そして、それがゴールであることもあります。そういう意味で、「わかる」の治療的価値はとてつもなく大きい。そういうことを伝えるために、この本は「わかりやすく」書かれている。「わかる」の思想に貫かれているのだと思います。 松本:ありがとうございます。そういうふうに読んでもらえると嬉しいです。 東畑:もう一点、すごくよかったと思ったのは、全編