室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた『この国は、変われないの?』(新日本出版社)が発売中この記事の写真をすべて見る イラスト/小田原ドラゴン 作家の室井佑月氏は、定年延長の決まった東京高検検事長の問題、そして新型肺炎に関する政府の対応について持論を展開する。 【この記事のイラストはこちら】 * * * 政府は東京高検の黒川弘務検事長(63)の定年延長を閣議決定した。2月11日の東京新聞「検事長人事案を官邸に蹴られた… 前代未聞の人事介入は検察の独立性を揺るがす」という記事にはこう書かれていた。 「黒川氏は法務省の官房長、次官を計七年五カ月も務め、(中略)この間、検察は政治家の絡む事件に積極的に動くことはなかった。『安倍政権の守護神』とやゆされ