ファナックが2018年2月に買収したロボットベンチャーのライフロボティクス。伸縮式の機構を採用することでロボットの肘関節をなくし、省スペースに設置できる協働ロボット「CORO」を手掛ける(図1)。 トヨタ自動車や外食大手の吉野家、ロイヤルホストなどが相次いで自社工場・店舗への採用を決定するなど、注目が高まりつつある(導入事例の記事)。 このライフロボティクスというベンチャー、実はロボットのハードウエア面だけでなく、ロボットに組み込むソフトウエアの面でも、その開発において先駆的なアプローチを取り入れている。それが「形式手法(formal methods)」である。 形式手法は日本ではあまり知られていないが、システムやソフトウエアの仕様を厳密に記述し、仕様の品質を高めるための手法である(形式手法については、筆者が2005年に執筆した特集記事「ソフトウエアは硬い」を参照)1)。プログラムなど実装