【1】加藤先生に向かって,もう一人の恩師である田中先生のことを話題にして「明日は,田中先生のところに参ります。」と言いました。田中先生を十分に高める気持ちで言ったのですが,これで良かったのでしょうか。 【解説1】 「参る」は謙譲語Ⅱです。つまり相手に対して改まって伝えるための敬語であって,話の中に出てくる第三者を立てるための敬語ではありません。したがって,この言い方では,田中先生を立てることはできません。田中先生を立てるのであれば,「田中先生のところに伺います。」と言えば良いでしょう。「伺う」は謙譲語Ⅰであり,<向かう先>の人を立てることができるからです。 【解説2】 「明日は,田中先生のところに参ります。」と言ったとき,「参る」という敬語を使えば,第三者である「田中先生」を立てる気持ちが表現できると感じている人も多いようです。もちろん,「田中先生」を相手にして「田中先生のところに参