インド洋のスリランカで「建国以来最悪」といわれる経済危機が深刻の度を増している。輸入代金の決済に使われる外貨不足で物資不足が続き、6月のインフレ率は54・6%という記録的な上昇となった。政府は6月27日から2週間の燃料販売停止を発表。政府高官は国会で経済は「完全に崩壊した」と述べ、ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領の退陣を求める声は日増しに高まっている。 ところが、国を揺るがす危機に対し、「蜜月」とされた中国は冷淡な姿勢を崩さない。地元報道によると、経済難の一因とされる対中債務の減免にも応じていない。ゴタバヤ氏は6月の米ブルームバーグ通信のインタビューで、中国に10億ドル(約1300億円)の緊急融資を申請したが回答を得ていないと述べ、「この地域(南アジア)への関心が薄れているようだ」とまで指摘した。 中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官はゴタバヤ氏の発言を受け、「5億元(約100億円)の