「普段の仕事の中でよかれと思ってやっている“やる気向上策”の中には、かえってやる気を失わせるかもしれないことがあるのだな」。日経SYSTEMS 9月号の特集記事「IT現場のやる気を高める」を担当して、このことに気付かされた。 この特集記事では、読者モニターとともにやる気の実体を探る誌上ワークショップ、自分のやる気とチーム全体のやる気を高める工夫、2年連続大学日本一の実績をもつ帝京大学ラグビー部のやる気向上の取り組みを紹介している。 やる気の仕組みを探るために行った、心理学や脳科学の専門家への取材を通して、やる気を高めるつもりが逆効果になってしまう例をたくさん聞いた。ここではそのいくつかを紹介したい。みなさんの職場でこれらが行われていないか、振り返りながら読んでもらえればと思う。 競争意識をあおるだけではいけない 担当作業の進捗度合い、仕様書や設計書の作成分量――。メンバー一人ひとりについて