PROFILE 内沼晋太郎 ブック・コーディネイター。2012年、東京・下北沢にビールが飲めて毎日イベントを開催する新刊書店「本屋B&B」をオープン。著書『本の逆襲』(朝日出版社)ほか。 ぼくにも、あるときまで、本屋はどこも同じように見えた。商店街にあるような小さな本屋は、どこも同じような文庫やコミックや単行本と、雑誌の最新号が並んでいるだけだった。ターミナル駅にある大きな本屋は、どこも同じく在庫何十万冊というような売り文句を掲げていて、ほぼすべての本が揃っているような気にさせた。古本屋も、売っているものこそ違えど、どこも同じような暗くて入りにくい雰囲気を放っていた。それを明るくして入りやすくしたのが、新古書店と呼ばれるブックオフのようなチェーン店で、当然それらはむしろ最初からみな同じに見えるようにつくられていた。これを読んでいる人の中には、いまもそう感じている人が、たくさんいるだろうと思
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