7月4日に行われた東京都議選を、多くのメディアは「予想外の結果」と報じた。なぜ事前の当落予想は外れたのか。政治学者の菅原琢氏は「予想外の出来事が起きたのではなく、予想そのものに欠陥がある」という――。 「都民ファーストが終盤に追い上げた」は本当か 7月4日に開票された東京都議選はメディアや政界で「予想外の結果」と受け止められました。 大幅に議席を減らすと思われていた小池百合子東京都知事率いる都政与党・都民ファーストの会が想定以上に多くの議席を死守し、公明党と合わせて過半数を獲得するはずだった自民党の議席が伸びなかった、というのがメディアや政界に一致した「予想外」の内容です。 自民失速・都民ファースト伸長という「予想外」が生じた理由としては、「過労で入院した小池都知事への同情票が選挙終盤に動いたからだ」、「ワクチン不足が露呈し政権への批判が高まったからだ」などといろいろ指摘されているようです