農業用大型ドローンの中央下部から水田にまかれるイネの種もみ=茨城県五霞町で2022年5月9日、安藤龍朗撮影 「ブーン」と低い音を響かせて、大型ドローンが水田の上を滑るように飛んでいく。空から種もみがパラパラと落ちてきた。空からの田植えだ。おいしくて安全なコメを育ててきた日本の農村だが、過疎化、高齢化で手間ひまかけたコメ作りが困難になって久しい。事態打開の切り札がドローンだ。現地を訪れると、省力化された上に豊作にもつながったという。何だかわくわくしてきた。【安藤龍朗】 利根川、江戸川など4本の川にぐるりと囲まれた茨城県五霞(ごか)町。人口約8200人。高齢化率は35・50%と全国平均を上回る。江戸時代には、東北や信州からの物資を運ぶ高瀬舟が往来した水郷地帯だ。川が恵みをもたらし、時には氾濫に苦しめられ、住民は川とともに暮らしてきた。 「腰を痛めないようにやらないといけませんね」。田植え最盛期