セルフに関するsaavedraのブックマーク (83)

  • 岩波ジュニア新書『情熱でたどるスペイン史』はスペイン史入門としておすすめの一冊 - 明晰夢工房

    情熱でたどるスペイン史 (岩波ジュニア新書) 作者: 池上俊一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/01/23 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 第一次大戦後から行われてきた世論調査では、ヨーロッパ各国では国民が一番好きな色は青になるそうです。しかし唯一スペインだけは、赤が一番人気の色になります。赤いパプリカの消費量はスペインが世界一で、真っ赤なトマトを投げつけるブニョルの祭りも有名です。赤色は人を興奮させる心理効果があることが知られていますが、この色を好んでいることがスペイン人の「情熱」のひとつの表れといえるかもしれません。書ではこの「情熱」をキーワードとして、古代から現代にいたるまでのスペイン史を記述しています。あまりなじみのないイスラーム支配下のスペインやその文化、そして闘牛やフラメンコなど日人にもなじみ深いスペイン文化にも触れているので、スペイン史に

  • 魏志倭人伝は日本を褒める根拠となり得るのか?という話 - 明晰夢工房

    togetter.com 百田尚樹氏の『日国紀』の内容があちこちで話題になっていますが、上記のまとめを読んで気になったことは、このが魏志倭人伝の記述を用いて日人を褒めているという点です。 倭国伝 全訳注 中国正史に描かれた日 (講談社学術文庫) 作者: 藤堂明保,竹田晃,影山輝國 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2010/09/13 メディア: 文庫 クリック: 5回 この商品を含むブログ (6件) を見る 魏志倭人伝には、確かに倭人を褒めている記述が多く見られます。『倭国伝』のなかの魏志倭人伝の部分の和訳から引用すると、「倭人の風俗には節度がある」「女性はつつましやかで焼きもちを焼かない」「追いはぎやこそ泥がなく、争いごとも少ない」と、魏志倭人伝はかなり倭人に対して好意的です。人びとは立派な家に住んでいて、租税制度も確立しているなど、かなり文明的にすら思える倭人の姿が、ここ

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  • 「人生のネタバレ化」で「やりたいこと」という呪いが解ける人もいるかもしれない - 明晰夢工房

    minnanohimatubushi.2chblog.jp anond.hatelabo.jp ウェブ小説界隈でちょっと有名らしい人から、こういう言葉を聞いたことがあります。 「創作が苦しいんだったらやめたっていいと思いますよ。何も小説がすべてというわけではないですし。でも、苦しくてもあきらめずに何年も書き続ける人が書籍化して、成功していくんですけどね」 私はこの話を聞いたとき、ひどく違和感を持ちました。 何年もやり続けていてもプロになれない人なんていくらでもいるし、そもそも大して苦労もせずにいきなり書いた小説がそのまま書籍化する人だっている。頑張っていればいずれ成功できるなんて、それこそ公正世界信念というものではないのか。プロになれない人は努力が足りない?プロになった人だけが努力を評価されるというだけの話じゃないの? ……とまあ、いくつもの疑問が頭に浮かんだのですが、ここで書きたいのは努

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  • シャルル禿頭王、カール肥満王……なぜ中世ヨーロッパにはあだ名が多いのか?を解き明かした『あだ名で読む中世史』 - 明晰夢工房

    中世ヨーロッパは「あだ名文化」の時代だった あだ名で読む中世史―ヨーロッパ王侯貴族の名づけと家門意識をさかのぼる 作者: 岡地稔 出版社/メーカー: 八坂書房 発売日: 2018/01/25 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 中世ヨーロッパとは、「あだ名文化」のさかんな時期でもありました。多少なりとも中世ヨーロパ史に関心を持つ人なら、フリードリヒ・バルバロッサ(赤髭)、フィリップ剛勇公、ルイ敬虔王などの名前を耳にしたことがあるはずです。ドイツの作家ラインハルト・レーベの著作『シャルル禿頭王は当にハゲだったのか──歴史上のあだ名、そしてその背後にあるもの』には363人の歴史上の人物が登場しますが、このうち296人が中世ヨーロッパの人物なのです。 こうした王侯貴族のあだ名文化は、実はヨーロッパでは8世紀以前はほとんど存在せず、9世紀末から10世紀初めころに形成されてきたものです

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  • 歴史小説のおすすめ本を20作選んでみる(戦国時代編) - 明晰夢工房

    戦国時代という素材は小説ではすでに書きつくされているような印象もありますが、探せばまだまだ面白い作品が見つかるものです。ここでは戦国時代を扱った小説でおすすめの作品を15作選んでみました。 1.国盗り物語 国盗り物語1~4巻完結セット 発売日: 1971 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 司馬遼太郎の戦国時代の作品はたくさんありすぎてどれを選んでいいか迷いますが、2020年の大河ドラマが明智光秀を主人公とする『麒麟がゆく』に決まったので光秀も多く登場するこの作品を選んでみました。物語前半は斎藤道三が主人公ですが、頭が切れて戦にも女にも強い道三の活躍ぶりは圧倒的で、チート能力持ちのウェブ小説の主人公の原型にすら思えてきます。作品としては古いのにリーダビリティがとても高く、時代を経ても全く色あせない魅力があります。司馬作品は後期の作品は小説というよりも史伝という感じのものが多いで

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  • 百年戦争をわかりやすく解説してくれる入門書──佐藤賢一『英仏百年戦争』 - 明晰夢工房

    歴史系の新書は、一度学者が書いたあと作家が面白く読めるように「超訳」することはできないだろうか、などと思うことがある。学者が皆宮崎市定や林健太郎のような読み物としても面白い文章を書けるとは限らないからだ。 もちろんそんなことは実現不可能だが、十分な歴史知識を持つ人物が作家を兼ねていればここは解決できる。というわけで、フランス史の新書なら佐藤賢一氏の出番だ。氏はすでに百年戦争を扱った小説として『双頭の鷲』『傭兵ピエール』などを書いており、フランス史の知識をバックボーンとした正確な時代考証と、巧みな人物造形により作られたキャラクターが縦横無尽に活躍する歴史小説を得意としている。 そんな佐藤賢一氏が一般向けに、こみいっている百年戦争の経緯をわかりやすく解説してくれているのがこの『英仏百年戦争』だ。 英仏百年戦争 (集英社新書) 作者: 佐藤賢一 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2003/1

  • 世界史リブレットのおすすめの巻を紹介してみる - 明晰夢工房

    山川出版社からは世界史リブレットという小冊子がたくさん刊行されています。古今東西の多くのテーマを扱っていて、ページ数こそ少ないものの各分野の専門家が書いているため中身が濃く、コスパは決して悪くありません。姉妹編として『世界史リブレット 人』シリーズも刊行されていますが、こちらは簡潔な人物伝としても使え、人物を通してその時代をより深く理解するのに役立ちます。 なにしろ刊行数が多いのでとても全部は紹介できませんが、今まで読んだものの中から面白かったものを紹介してみます。 東アジアの「近世」 東アジアの「近世」 (世界史リブレット) 作者: 岸美緒 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 1998/11/01 メディア: 単行 クリック: 7回 この商品を含むブログ (8件) を見る これはとても面白い。銀や高麗人参、鉄砲や生糸など、特定のモノを通じて東アジアの「近世」の誕生の時期について

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  • 武田信玄が教科書から消える(かもしれない)件についての歴史家の見解 - 明晰夢工房

    headlines.yahoo.co.jp 武田信玄や上杉謙信、坂龍馬、吉田松陰などの有名人物が歴史教科書から消えるかもしれない、ということが去年から話題になっています。 いろいろと意見はあるでしょうが、武田信玄については武田氏について多くの著作があり、『真田丸』の時代考証も担当した平山優さんがこのようにコメントしています。 削除すること、それ自体は議論があっていいと思います。削除するなら、その根拠を提示すべきだし、残すなら観光資源だから許せぬとか、山梨のアイデンティティだからというさもしい議論はやめましょう。信玄が他の戦国大名よりも教科書に残すべきだとするなら、彼の業績をどう評価するかでしょう。 — K・HIRAYAMA (@HIRAYAMAYUUKAIN) 2018年3月26日 研究者として、信玄の業績を掲げるとするならば、①甲州法度、②喧嘩両成敗法、③帯役の制定と撤回(柔軟な思考

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  • 元号一覧や改元の理由を知ると日本は災害大国だと思い知らされる - 明晰夢工房

    スポンサーリンク 元号を知ると、日史をより深く理解できる 元号 全247総覧 作者: 山博文 出版社/メーカー: 悟空出版 発売日: 2017/09/15 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る もうすぐ元号も改まるので、最近はこのを読んで元号の歴史について調べていました。 現在、元号というものを採用している国家は日だけです。 最初の元号である「大化」以来長く使われてきた元号は、一面不便ではあっても日のアイデンティティそのものであるとも言えます。 ですが、そのわりに、昭和にしろ平成にしろ、元号がどうやって決まるのか、その由来はなんなのか、ということを案外私達は知らないものです。 この『元号 全247総覧』では元号についてひと通り解説したのち、「大化」から「平成」に至るまで、247の元号すべての由来と改元が行われた事情について解説しています。各元号の時代における歴史事件

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  • 世界史の超おすすめ概説本を7シリーズ+5冊紹介してみる - 明晰夢工房

    書棚を見ていると世界史の書籍がかなりの冊数になったので、せっかくなので世界史を学んでみたいという方のためにおすすめの概説書を紹介してみることにしました。 なお、これから紹介するは社会人が趣味として学ぶためのものを想定しています。たぶん高校生が読んでも受験勉強には役立ちませんので、そこはあらかじめご了承ください。 1.中公文庫(旧版) 世界の歴史シリーズ 世界の歴史 (3) 中世ヨーロッパ (中公文庫) 作者: 堀米庸三 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1974/12/10 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 12回 この商品を含むブログ (1件) を見る シリーズの構成は以下のとおりです。 1 古代文明の発見 貝塚茂樹 2 ギリシアとローマ 村川堅太郎 3 中世ヨーロッパ 堀米庸三 4 唐とインド 塚善隆 5 西域とイスラム 岩村忍 6 宋と元 宮崎市定 7 近代へ

  • 呉座勇一『陰謀の日本中世史』が学会の大物から在野の研究者まで撫で斬りにしている件 - 明晰夢工房

    陰謀の日中世史 (角川新書) 作者: 呉座勇一 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/03/09 メディア: 新書 この商品を含むブログ (12件) を見る これは凄い。 880円の新書でありながら保元・平治の乱から関ヶ原の戦いに至るまでの中世史の概要を学べる。 しかも通説や俗説をきちんとした学問的証拠をあげて次々と論破し、読者に陰謀論とは異なる、最新の歴史的知見を与えてくれる。 そして最終章ではなぜ歴史の世界にも陰謀論がはびこるのか、明快に説明してくれる。 これほどコストパフォーマンスの高い一冊はなかなかありません。 スポンサーリンク 『応仁の乱─戦国時代を生んだ大乱』が思いがけずベストセラーとなった著者の呉座勇一氏が、今回は日中世史をテーマに、鋭い学問の刃で俗説や通説に切り込みます。 冒頭の保元・平治の乱などはややマイナーですが、頼朝と義経の確執の真因や足利尊氏

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  • 『おんな城主直虎』が最終回まで描ききった「戦をしない戦」 - 明晰夢工房

    スポンサーリンク このドラマがここまでの傑作になると誰が予想しただろうか。 脚の森下佳子は最終回が一番よく書けたと言っていたが、当に素晴らしい大団円だった。 真田丸にもつながる赤備えの登場や龍の形の雲が湧き出るお頭の最期、碁石を使った「完」の粋な演出など、このドラマを見守ってきた視聴者には大満足の最終回に仕上がっていたのではないかと思う。 特に良かったのは、この最終回では「交渉人」としての万千代の活躍が描かれていたことだった。 このドラマでは今までずっと、「戦をしない戦」を描いてきた。 戦をするところは直虎の父直盛が桶狭間で戦死するところなど必要最小限にしか描写されることはなく、力を入れてきたのは徳政令をめぐる今川家との駆け引き、瀬戸方久の「銭の戦」、井伊を守るためあえて汚名を着る「目付」としての小野政次の孤軍奮闘の様子だった。 大河ドラマで女性を主人公にすると、戦には出られないという

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  • 永田カビ『一人交換日記』最終回に思ったこと - 明晰夢工房

    comic.pixiv.net pixivコミックで連載されていた永田カビさんの『一人交換日記』が11月に最終回を迎えていた。 この最終回は一応ハッピーエンド……なのかな。 読む人によっていろいろと思うところがあるだろうけど、家族との関係が良くなったのならそれはやはり祝福すべきことなのだろうと思う。 「愛がこの病気の薬なら、きっと良くなる」という最後の言葉も、永田さんの心境が好転している証拠だと受け止めたい。 スポンサーリンク saavedra.hatenablog.com 『寂しすぎてレズ風俗に生きましたレポ』については、以前こういう感想を書いた。理由はよくわからないけれど、永田さんには自己肯定力のようなものがかなり不足していて、「感情貯金」が足りないために生きづらいのだ、と自分は感じた。 そんな永田さんもレズ風俗に言ったり、漫画が世間に受け入れられることでしだいに「感情貯金」が溜まって

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  • 「精神の自給率」が高い人が最強という話 - 明晰夢工房

    スポンサーリンク 「精神の自給率」が高い人が一番幸せ ウェブで小説などをやっていると、次第に周りではプロになる人というのが出てきます。 なんらかのコンテストで受賞したり、そうでなくとも編集の人の目にとまり、投稿サイトにアップしていた小説が書籍化する。創作を手がける人なら、一度は憧れる到達点です。 当はそこから先が大変だし、ずっと作家であり続けるには大きな苦労が伴うものなのですが、それでも自作が書籍として店頭に並ぶ、これは大きな喜びでしょう。 そこにたどり着けた人に対し、正直、羨ましさは感じます。何しろ私には無縁なことですから。 ですが、創作をしている人ではプロになれた人が一番羨ましいのか?と言われると、それは違います。 それで稼げるという点はたしかに大きなメリットなのですが、私にとってはそれよりも、「創作物の評価で揺らがない人」の方が、よほど羨ましいと感じるからです。 「創作物の評価で揺

  • おんな城主直虎『悪女について』信長へのヘイトを溜め、本能寺への期待を高める脚本が見事過ぎる - 明晰夢工房

    スポンサーリンク もうね、こんな凄い回観たあとだと当に文字通り言葉を失いますね。 これは言語野が死ぬ。 家康も瀬名も氏真すらも、自分のことなんて一切顧みずただ徳川家を救うために最善を尽くしているのに、結局最悪の結果に終わってしまう。 これはもう、完全に信長へのヘイトを貯めるための回ですよ。 これだと嫌がおうにも能寺への期待が高まってしまう。 瀬名(築山殿)が武田と通じていたかもしれない、という史実の解釈もこう来たか……という感じでした。 信康にせよ瀬名にせよ、皆が自分を犠牲にして家康を助けようとしている。この描写が無理がないと感じられるのも、今まで万千代の目を通じて家康の心配りの細やかさを丁寧に描写していたからこそ。 そして、自らの命を投げ出そうとしている瀬名に直虎がかける言葉も見事に重い。 次々と一族を殺され、政次まで失った痛みを知っているからこそのあの台詞。 もうこれ以上の自己犠牲

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  • 武田家滅亡の真因「高天神崩れ」とは何か? - 明晰夢工房

    スポンサードリンク 長篠での敗北が決定的だったわけではない 一般的な感覚としては、武田家が信長に滅ぼされたのは長篠の戦いで武田勝頼が敗北したから、というイメージが強いのですが。 確かに長篠の戦いでは、武田家の家臣が数多く戦死しています。 山県昌景や馬場信春、内藤昌豊などの優れた家臣がこの戦いで失われたことは武田家にとって大きなダメージだったことは間違いないでしょう。 ちなみに、この戦いでは当時真田家の当主だった真田信綱も戦死していて、これが真田昌幸が歴史の表舞台に出てくるきっかけにもなっています。 しかし、武田家は長篠の戦いで敗北して、そのまま真っすぐに滅亡に向かったのか?というと、そう単純な話ではないようです。 織田信長 (ちくま新書) 作者: 神田千里 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2014/10/06 メディア: 単行 この商品を含むブログ (7件) を見る 戦国時代の宗

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  • 「おんな城主直虎」が変えたもの、変えなかったもの - 明晰夢工房

    今回の「おんな城主直虎」はついに徳川家最大の黒歴史、信康事件を主題に取り上げてきた。ドラマ中では信康は賢く、家臣からの信頼も厚い名君として描かれている。従五位の下の位を与えるという信長の申し出も徳川家に不和を招き寄せるための策だと即座に見抜き、辞退する慎重さも見せた。もしここで信康が官位を受け入れていたら、朝廷から官位をもらった義経と同じような立場になっていただろう。 しかし、信長の周到さは信康の更に上を行っていた。信康は大人しく信長の手駒になるような男ではないと見るや、今度は難癖をつけて排除してしまおうというのだ。海老蔵演じる信長は声こそ荒らげないものの、いやだからこそかえって異様な迫力を醸し出している。洋装に身を包み這いつくばる酒井忠次を見下ろす信長の姿は魔王そのものだ。 「おんな城主直虎」は、今まで数々の革新的なドラマ展開を行ってきた。徳政令という地味なテーマを前半のドラマの主軸に据

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  • 講談社『興亡の世界史』シリーズのおすすめの巻を紹介してみる - 明晰夢工房

    なにか面白い世界史のってないの?という方におすすめしたいのが、講談社の『興亡の世界史』シリーズです。これはなかなか意欲的なシリーズで、世界史によくあるイギリスやドイツ中国と言った国ごとの単位で歴史を見るのではなく、もっと広い視野で国同士や民族の関わりを描き、巨大な歴史のうねりを体感できる内容になっています。 最近は文庫化もされていて手に取りやすくなっているので、このシリーズで今まで読んだ卷の内容について一通り解説してみます。といっても7巻分だけですが、今後の読書計画の参考までにどうぞ。 1.アレクサンドロスの征服と神話 興亡の世界史 アレクサンドロスの征服と神話 (講談社学術文庫) posted with カエレバ 森谷公俊 講談社 2016-02-26 Amazon 楽天市場 Yahooショッピング この中でどれか1冊だけに絞るなら間違いなくこれ。私は大腸の手術で入院するときにこれ

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  • 『バッタを倒しにアフリカへ』と「やりたいこと」という呪い - 明晰夢工房

    スポンサーリンク バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書) 作者: 前野ウルド浩太郎 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2017/05/17 メディア: 新書 この商品を含むブログ (18件) を見る もうだいぶ前から評判になっているので手にとってみたが、たしかにこれは一度読みだしたらやめられないだ。日とは全く異なるモーリタニアの生活習慣も興味深いし、バッタの孤独相と群生相の違いなど、他では得られない知識も得られる。何より、クライマックスで「神の罰」と言われるバッタの大群と著者が対峙するシーンは感動的だ。およそバッタにもアフリカにも興味がない読者でも、間違いなく楽しめる一冊だと思う。 d.hatena.ne.jp しかしながら、こちらのエントリを読んだあとに改めて書を読んでみると、そこで浮かび上がってくるのは「やりたいことと稼ぐことを一致させる困難さ」だった。著者の前野ウルド浩太

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  • ローグライク的価値観を持つと、人は何度でも挑戦できる - 明晰夢工房

    store.steampowered.com 最近、片道勇者でずっと遊んでいる。こういうローグライクというのは面白い。明確なストーリーはないが、アイテムや町、モンスターの配置などはランダムで決まるので何度プレイしても違う展開が楽しめるし、ジョブの種類も多いので攻略法も職ごとに変わってくる。1で長く楽しめる作品だ。 ローグライクというのは簡単に言うと、トルネコやシレンのようなゲームのことだ。マップがランダムに生成され、アイテムの配置もプレイのたびごとに異なる。主人公が死ぬとまたレベル1からのスタートになるので、プレイヤーは何度でも緊張感をもってゲームに臨めることになる。 不思議のダンジョン 風来のシレン5 plus フォーチュンタワーと運命のダイス 出版社/メーカー: スパイク・チュンソフト 発売日: 2015/06/04 メディア: Video Game この商品を含むブログ (6件)

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