来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で、主役の明智光秀を演じる長谷川博己(中央)。脚本は池端俊策のオリジナル。1月19日から放送予定(NHK提供) 来年のNHK大河ドラマの主人公は明智光秀である。「本能寺の変で織田信長を討った男」である光秀の名を知らない人はいないだろう。しかし、信長の抜擢(ばってき)によって一国一城の主(あるじ)にまでなった光秀が、大恩があるはずの主君信長に対して謀反を起こした理由はいまだに判然としない。そのため、歴史学者のみならず、作家や歴史ファンなど多くの人々が光秀の動機をめぐって無数の説を提起してきた。その中には、光秀に信長殺害を命じた「黒幕」、あるいは光秀に協力した共犯者がいた、といった荒唐無稽な珍説も散見される。 今も論争が続く けれども実のところ、よく分かっていないのは、光秀の動機だけではない。光秀の人物像もはっきりしないのだ。光秀の経歴や性格に関する論争は今
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