ブックマーク / book.asahi.com (15)

  • 『塞王の楯』刊行記念【対談】千田嘉博×今村翔吾(前編) 城と石垣から見る、矛盾とは|好書好日

    左から、城郭考古学者の千田嘉博さん(撮影:畠中和久)と、作家の今村翔吾さん(集英社提供、撮影:山口真由子) >対談の後編はこちら 石垣こそ城の要。謎多い立役者「穴太衆」 千田:『塞王の楯』を読ませていただき、当にすばらしい作品だと思いました。まずは戦国時代が舞台でありながら武将ではなく、「穴太衆」と呼ばれた石垣職人を主人公にしたことに驚きました。この発想がまず尋常ではありません(笑)。 今村:ありがとうございます(笑)。石垣をつくる職人、いわゆる石工のことを描いた小説はないことはありません。でもここまで石工が全面的に動き、活躍する小説はないかもしれません。 千田:石工にここまで光が当たること自体、初めてだと思います。お城ファンのなかでも、石垣に注目するのはかなりマニアックな人たちですしね。でも、地味かもしれませんが来、石垣こそがお城の守りの力として、お城来の機能を成り立たせていた一番

    『塞王の楯』刊行記念【対談】千田嘉博×今村翔吾(前編) 城と石垣から見る、矛盾とは|好書好日
    saavedra
    saavedra 2021/12/14
  • 「律令国家と隋唐文明」書評 中央集権、誕生のプロセス描く|好書好日

    ISBN: 9784004318279 発売⽇: 2020/02/22 サイズ: 18cm/208,8p 律令国家と隋唐文明 [著]大津透 対外的な意味で「日」という国号が定まったのは703年のことである。書は、663年の白村江(はくそんこう)での敗戦の後、緊迫した国際状況の中で権力集中を目指して律令国家が生まれるプロセスを描いた「日誕生の物語」である。 隋唐による中国の統一は周辺諸国に激震を与えた。著者は、大化の改新の主体が孝徳天皇だったととらえ、唐の圧力に対抗するため朝鮮三国と共通する国家機構をつくる試みだったとみる。しかし唐に対する方針は定まらず白村江の戦いに至る。唐軍に敗れた倭は九州や中国地方に朝鮮式山城を築いて国土防衛に努める。羅唐戦争の10年が体制を立て直す時間を与えてくれた。この間、新羅は倭と親密だった。こうした東アジアの緊張の中で唐や新羅に滅ぼされない強力な支配を目指

    「律令国家と隋唐文明」書評 中央集権、誕生のプロセス描く|好書好日
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    saavedra 2021/10/05
  • 「地下からの贈り物」書評 古代発掘のロマンが味わえる|好書好日

    地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国 (東方選書) 著者:中国出土資料学会 出版社:東方書店 ジャンル:歴史・地理・民俗 地下からの贈り物 新出土資料が語るいにしえの中国 [編]中国出土資料学会 古い時代の中国では、地中に冥界があり、人は死ぬと第二の生活を始めると観念されていたらしい。そのため、墓の中にはありとあらゆるもの——奴隷や牛馬の模型から日用品に至る——を副葬品として収めた。墓の主が読書人だったり、文書行政に携わる役人であると、多くの書物やレポートがそこに含まれた。 現代中国ではそうした遺跡が次々に発掘されていて、そこで発見された文字情報(紙の発明前なので木・竹や絹布に書かれる)を復元・分析することにより、古代社会を解明する作業が進んでいる。 書は現役ばりばり、日の学者47人が、新出土資料から何が分かってきたか、新出土資料はどこから来たかをまとめたもの。今まさに伸び

    「地下からの贈り物」書評 古代発掘のロマンが味わえる|好書好日
  • 綾辻行人「Another 2001」書評 続編のハードル越え、スケールアップした〈災厄〉の恐怖|好書好日

    怪奇幻想ジャンルの新刊から気になる作品をピックアップして紹介する連載〈ホラーワールド渉猟〉だが、2020年の夏はなぜか話題作・注目作が相次ぎ、ブックレビューや時評ではとてもフォローしきれないほどだった。コロナ禍の影響というわけではないだろうが、今年は活字のホラーが例年になく熱かったのだ。綾辻行人7年ぶりの長編『Another2001』(KADOKAWA)は、そんな“ホラーな夏”の掉尾を飾るにふさわしい、圧倒的ボリュームの長編である。 『Another』といえばアニメ化・実写化などのメディアミックスで知られ、世界各国語にも翻訳されている著者の代表作のひとつ。その続編である『Another2001』では、またしても恐るべき〈災厄〉が夜見北中三年三組の生徒に襲いかかる。主人公はシリーズのスピンオフ的長編『Another エピソードS』で重要な役を演じた少年・比良塚想。『Another』の代名詞

    綾辻行人「Another 2001」書評 続編のハードル越え、スケールアップした〈災厄〉の恐怖|好書好日
    saavedra
    saavedra 2020/10/10
  • 差別や偏見を隠した「ずるい言葉」を解説 社会学者・森山至貴さんインタビュー|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 森山至貴(もりやま・のりたか)社会学者 1982年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻助教、早稲田大学文学学術院専任講師を経て、現在、同准教授。専門は、社会学、クィア・スタディーズ。著書に『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房)、『LGBTを読みとく―クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書)。 世の中の「ずるい言葉」はどこか差別に通じている ――森山さんは大学で学生さんに「自分が言われてモヤモヤした言葉」をヒアリングしたそうですね。特にどのような基準で選びましたか? 読者にとっての取っ掛かりが多いにしたかったので、特定の学問分野やジャンルの話だけにならないよう心がけました。女性差別やセクシュアルマイノリティ差別の事例だけでなく、血液型、障害者、ひとり親家庭などの話題も取り上げています。 ただ、どんな話題を選んでもやはりどこかで差別

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    saavedra
    saavedra 2020/10/10
  • 「三体」監修・立原透耶さんインタビュー 中国SF界に現れた、突然変異的なスペースオペラ|好書好日

    文:ハコオトコ 立原透耶(たちはら・とうや)作家・翻訳家 1969年生まれ。ファンタジーなど幅広い作品を執筆。「ひとり百物語」シリーズ(メディアファクトリー)など著作多数。華文SFの翻訳も長く手掛け、最近も中国語圏の作家の作品を翻訳した『時のきざはし 現代中華SF傑作選』(新紀元社)を出版。 戦後、ソ連の影響を受けた中国SF ――翻訳・監修に多くの人が携わった「三体」シリーズ邦訳版ですが、立原さんは主に和訳された文章と中国語の原書と乖離が無いか、固有名詞やルビのミスが無いかなどをチェックする「総監修」を担当しました。華文SFに造詣が深く、翻訳も長く手掛けてきた立原さんですが、まずは三体の背景にある中国SF事情、歴史を教えてください。 第二次世界大戦後、中国ではソ連のSFが最初に(大々的に)影響したと思います。同じ共産国として中国の目指す科学技術立国、「頑張ったらこんな良い未来があるんだよ

    「三体」監修・立原透耶さんインタビュー 中国SF界に現れた、突然変異的なスペースオペラ|好書好日
    saavedra
    saavedra 2020/07/12
  • 「三体」翻訳者・大森望さんインタビュー 「若かったころのSFの、野蛮な魅力に溢れている」|好書好日

    大森望(おおもり・のぞみ)翻訳家・書評家 1961年生まれ、京都大学文学部卒。SF作品を中心とした翻訳・評論を長く手掛ける。訳書に『クロストーク』(コニー・ウィリス著、早川書房)、著書に『21 世紀SF1000』(同社) など多数。 最初の印象は、すごく古臭いSF ――まずは未読の人向けに、第1部『三体』ストーリーのおさらいをさせていただければ。文化大革命で父を殺された中国の女性科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)は、異星人との電波交信を試みる軍の秘密基地にスカウトされることに。計画は失敗に終わったとされましたが、彼女は軍には秘密で宇宙人との交信に成功、彼らの地球侵略の“手引き”をしていました。 四十数年後の現代、世界中で科学者が相次ぎ自殺する事件が発生。もう一人の主人公であるナノテク研究者の汪淼(ワン・ミャオ)は、原因究明の依頼を受け国際的な学術団体に潜入することに。科学的にあり得ない怪現

    「三体」翻訳者・大森望さんインタビュー 「若かったころのSFの、野蛮な魅力に溢れている」|好書好日
    saavedra
    saavedra 2020/07/12
  • 『徳川秀忠』『「関ケ原」の決算書』 研究・マスコミ両立 最期まで現役 朝日新聞書評から|好書好日

    徳川秀忠/「関ケ原」の決算書 [著]山博文 この2冊は、今年3月に急逝した著者の遺著である。『「関ケ原」の決算書』の校正終了直後に没したという。 学者はマスコミへの露出が増えて名前が売れると、業が疎(おろそ)かになりを粗製乱造しがちである。著者の活動には批判もあったが、メディア活動と研究活動を両立させた希有な歴史学者だった。 『徳川秀忠』は初代徳川家康と三代家光の間に挟まれて影の薄い江戸幕府二代将軍の評伝である。秀忠は関ケ原合戦に間に合わなかった凡庸な武将と見られてきた。 だが家康は当初長期戦を想定しており、秀忠に与えた任務も信州上田城の真田昌幸を降参させることだった。戦局の急変により家康は秀忠に急ぎ西進するよう命じるが、その使者は川の増水で秀忠のもとに着くのが遅れた。著者は、家康が秀忠の遅参を叱責(しっせき)した話は後世の創作であると指摘する。 とはいえ、天下分け目の戦いに参加でき

    『徳川秀忠』『「関ケ原」の決算書』 研究・マスコミ両立 最期まで現役 朝日新聞書評から|好書好日
    saavedra
    saavedra 2020/06/13
  • 明智光秀は教養豊かな常識人? それとも野心家?(呉座勇一・国際日本文化研究センター助教)|好書好日

    来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」で、主役の明智光秀を演じる長谷川博己(中央)。脚は池端俊策のオリジナル。1月19日から放送予定(NHK提供) 来年のNHK大河ドラマの主人公は明智光秀である。「能寺の変で織田信長を討った男」である光秀の名を知らない人はいないだろう。しかし、信長の抜擢(ばってき)によって一国一城の主(あるじ)にまでなった光秀が、大恩があるはずの主君信長に対して謀反を起こした理由はいまだに判然としない。そのため、歴史学者のみならず、作家や歴史ファンなど多くの人々が光秀の動機をめぐって無数の説を提起してきた。その中には、光秀に信長殺害を命じた「黒幕」、あるいは光秀に協力した共犯者がいた、といった荒唐無稽な珍説も散見される。 今も論争が続く けれども実のところ、よく分かっていないのは、光秀の動機だけではない。光秀の人物像もはっきりしないのだ。光秀の経歴や性格に関する論争は今

    明智光秀は教養豊かな常識人? それとも野心家?(呉座勇一・国際日本文化研究センター助教)|好書好日
  • 円居挽さんを大学のミステリ研へと誘った清涼院流水「コズミック」 「なんでもアリ」という希望と複雑な思いと|好書好日

    「今年、1200個の密室で1200人が殺される。誰にも止めることはできない」 ― 密室卿 1994年の日、密室卿を名乗る者の予告通りに各地で毎日三件の密室殺人が起きていた。日々増え続ける密室殺人もさることながら、そもそも密室卿とは何者なのか……この巨大な謎を迎え撃つのはJDC(日探偵倶楽部)に所属する数百人の名探偵たち。はたして彼らは真実に辿り着けるのだろうか? ……とまあ、とにかく過剰だ。今でこそこうした出オチすれすれの作品は珍しくもないが、あの当時はコロンブスの卵だったのである。というか、『コズミック』は日ミステリ界に落ちた巨大隕石だった。出版直後はパーティーそっちのけでミステリ作家たちがみんな『コズミック』の話をしていたそうだ(そんなが今ありますか?)。当時の私は直接その熱狂を浴びたわけではないが、その破天荒な設定、そして作者や版元の挑発的な言動に痺れ憧れ、氏が在籍していたと

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    saavedra
    saavedra 2019/08/19
  • 「戦国合戦〈大敗〉の歴史学」書評 敗者復活もあった〝その後〟分析|好書好日

    戦国合戦〈大敗〉の歴史学 [編]黒嶋敏 たった一度の敗戦で全てを失う。戦国時代の有名な戦いの多くに、そうした〈大敗〉の印象がつきまとう。 しかし実際には、巷間言われるほど劇的な〈大敗〉ではない場合もあるし、〈大敗〉後に持ち直した戦国大名もいる。〈大敗〉を教訓として勝ち組に転じた者すら存在する。書は研究者らによる論文集。綿密な史料分析に基づき、戦国時代の著名な〈大敗〉の実像に迫り、また〈大敗〉後の敗者の動向を丁寧に追う。 第1部は《〈大敗〉と大名領国》。金子拓(ひらく)は、長篠敗戦後の武田勝頼の軍制改革に注目している。また勝頼が家老衆の意見を無視して敗れたというイメージは『甲陽軍鑑』に依拠しており、再考の余地があると説く。畑山周平は、日向伊東氏が島津氏に逆転された契機は、「九州の桶狭間」とも呼ばれる元亀3年(1572)の木崎原の戦いではなく、永禄12年(1569)の戸神尾の戦いであると指摘

    「戦国合戦〈大敗〉の歴史学」書評 敗者復活もあった〝その後〟分析|好書好日
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    saavedra 2019/08/19
  • 中国発の本格SF「三体」劉慈欣さんインタビュー 科学の力、人類の英知を信じて執筆|好書好日

    文・写真:延与光貞(朝日新聞中国総局) 劉慈欣(りゅう・じきん)作家 1963年、中国・山西省生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を書き始め、雑誌〈科幻世界〉に『三体』を連載。2008年に単行として刊行。「三体」「黒暗森林」「死神永生」の三部作は2100万部を超す売り上げを記録している。2015年、英訳版がアジア人作家して初めて、SF界最大の賞・ヒューゴー賞を受けた。 文化大革命(1966~76年)で父を亡くしたエリート女性科学者は、失意の日々を送るなか、謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこで行われていたのは、人類の未来を左右しかねない極秘プロジェクトだった。彼女が宇宙に向けて発信した電波は、惑星「三体」の異星人に届き、数十年後、科学的にありえない怪現象が人類を襲う。壮大な「三体」三部作の第1弾。 SFは異文化間で共鳴しやすい 小説のアイデアは、物理学の難問「三体問題

    中国発の本格SF「三体」劉慈欣さんインタビュー 科学の力、人類の英知を信じて執筆|好書好日
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    saavedra 2019/08/14
  • 室町武士は‘‘サイヤ人’’だった!? カオスな時代、権力者たちのサバイバル描く「室町幕府全将軍・管領列伝」 (好書好日)

    ――書は室町幕府の歴代の将軍と実権を持っていた管領について、幕府の開始から滅亡まで章立ててまとめています。高校までの教科書では名前も出てこないような人物まで、家臣や主君、親族同士で激しい権力闘争を繰り広げた様が描かれています。しかし、なぜメジャーな戦国や幕末のヒーローではなく、室町幕府の権力者たちを取り上げたのでしょうか。 僕は大学時代に中国古代史を専攻していましたが、父が日古代史の研究者であることもあって日史も好きでした。中国古代史に関しては今でも半分研究者のつもりですが、日中世史などについてはあくまで素人です。 ただ数年前、NHK大河ドラマ「真田丸」で有名になる前の「国衆」(大名より規模の小さい在地の領主)という概念を取り上げた「全国国衆ガイド 戦国の‘‘地元の殿様’’たち」(2015年、星海社新書)というを企画しました。それがきっかけで日中世史の新書を多く担当することにな

    室町武士は‘‘サイヤ人’’だった!? カオスな時代、権力者たちのサバイバル描く「室町幕府全将軍・管領列伝」 (好書好日)
    saavedra
    saavedra 2018/12/02
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2012102400001.html

    saavedra
    saavedra 2013/04/02
  • 書評・最新書評 : 中世とは何か ジャック・ル=ゴフ著 従来の歴史観覆し、西洋史の核心に迫る | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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