以前南アフリカでLGBTのために活動している方を招いてトークイベントをしたときのこと。「何が大変ですか?」と聞いて返ってきた答えのひとつが「きれいな水を手に入れること」だった。きれいな水がないと、女の子たちは遠くまで水を汲みにいき勉強の機会を奪われてしまうからと。 南アフリカのレズビアンにとって教育や就労差別、ひとりで安全に外出できないことは深刻な課題だ。トランス女性は危険なセックスワークにさらされていて、被害を訴えても、トランスの言うことは聞いてもらえない。幼いトランス男性は今日もどこかで水を汲んでいる。南アフリカに限らず、日本社会にも同じような構造はある。地方には40代になっても結婚せず、食っていく道がないからと結婚していくレズビアンがいる。ゲイ男性にとっても、結婚して一人前の男だという風潮は息苦しい。性差別をなくすことを目指すフェミニズムがLGBTにとって重要なのは、LGBTもまた社
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