柳 宗悦1889-1961(明治22-昭和36) 略 歴 1889(明治22)年、柳宗悦は東京市麻布区市兵衛町二丁目十三番地に貴族院議員である柳楢悦と母勝子の三男として生まれる。父は彼が幼少の頃に亡くなったが、父の残した莫大な遺産によって何不自由なく成長し、学習院初等科に入学。中等科に進む頃に、後に共に雑誌『白樺』を創刊する志賀直哉や武者小路実篤らと知り合い、生涯の友となる。更に学習院高等学科では、鈴木大拙や西田幾多郎に学び、1910(明治43)年、無事高等学科を卒業後、東京帝国大学文科に進む。また『白樺』はこの年に創刊される。 東京帝国大学で哲学を専攻した柳は、当初、宗教に深い関心を示していたが、ウィリアム・ブレークに興味を持ったのをきっかけに、宗教と芸術の関係に関心を持つようになる。1913(大正3)年、東京帝国大学卒業後、声楽家の中島兼子と結婚し、千葉県我孫子へと転居する。その後、我