はじめに 国内の制御界隈では,データ駆動制御と呼ばれる手法が普及しつつあります。その中でも,FRITと呼ばれる手法は一度実験するだけで所望の制御器を自動獲得可能なオートチューニング手法です。実応用上優れた特性を有しているため,様々な企業・大学で注目されている技術といえます。一方,FRIT関連の論文を読むと,Virtual reference feedback tuning(VRFT)と呼ばれる手法が先行研究として挙げられています。VRFTも一度実験するだけで所望の制御器を自動獲得可能なオートチューニング手法です。FRITとVRFTは非常に類似した手法ですが,一体何が違うのでしょうか? 実はVRFTにはFRITよりも優れた特徴がいくつかあります。 本記事ではVRFTを解説していきます。また,この記事を読んだ読者が実践できるようにサンプルプログラムも付録に載せておきます。 ※ MATLAB版の