2月14日(木)、11時より、UTCP研修室にて、パリの高等師範学校(ENS)教授で、「動物」をめぐって多数の著作のあるユニークな動物行動学者、ドミニク・レステル氏の講演が行われた。 さしあたり「動物行動学者」と述べたが、講演を伺ったいま、氏をこの呼称のもとに呼ぶことに些かの躊躇いを覚えずにはいられない。氏の問題関心は「動物行動学者」としてのそれを大きく上回るものであり、哲学、心理学、ロボット工学を中心としたコンピュータ工学、生態学、そして、これこそが氏のポジションを独特なものたらしめているように思われるのだが、「~学」と呼ばれることのない種々の職人的な知、あるいは日常的な情動、といったところまで及んでいる。実際、経歴を聞けば、哲学と心理学を修めて教授資格を取った後、フランスのコンピュータ会社BULLでエンジニアとして働き、その後、蟻の思考システム、自立型ロボット――「動物ロボット」――等
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