前回の記事でTauber et al."Bayesian models of cognition revisited"を読んでから、その著者らが批判したがっている最適アプローチなるものが気になって調べてみた。まず、実際に調べてみるとTenenbaumらの研究が合理的だとされる理由がはっきりとしてきた。その源を探ると1990年に出たJ.R.Andersonの本において提唱された合理的分析にたどり着いた。J.R.Andersonというと認知アーキテクチャACT-R理論で知られているが、合理的分析の創始者でもあると初めて知った 1。その合理的分析を受け継いた学者として有名なのが、Nick ChaterやMike Oaksfordであり、TenenbaumらはそのChaterとの共著論文をいくつか書いている。つまり、Tenenbaumらの研究は合理的分析の系譜を受け継いでいるがゆえに合理的なアプロ