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ブックマーク / deepbluedragon.hatenadiary.com (53)

  • さっぱりリベラリズムではない現代的リベラルの二つの源泉 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    現代においてリベラルと呼ばれる立場や人々に、私はよく理解できないところが多くある。マイノリティの権利と称して極端な考えを他人に押し付けようとしたり、被害者(とされる人)の主観を絶対視したりと、あまり正気に見えない。私はロールズを始めとする政治哲学を個人的に勉強していてまあまあ詳しいと思うし、左翼と近代主義の区別ができない日のネトウヨなんて馬鹿にしている。そんな私でも現代にリベラルと呼ばれるものが、私が理解しているリベラリズムと違っているとしか思えなくて、長らく困惑していた。 現代的リベラルの源としての文化左翼―ローティ― そんな訳の分からないリベラルは日の特殊事情だろ!…と思おうともしたが、アメリカでも似た事情があるらしいのでそうとも言い切れない。私はそうした立場や人達を(正統派リベラリズムと区別して)現代的リベラルとここで呼ぶことにするが、それはポストモダン左翼と呼んでもいい。最近は

    さっぱりリベラリズムではない現代的リベラルの二つの源泉 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
    sakstyle
    sakstyle 2024/05/02
    司法を通して実現される(最高裁判事に依存する)ドゥオーキンの権利基底リベラリズム/政治的にも司法的にも行政(官僚)的にも効力を持てないから日本のリベラルは私的領域に影響を駆使している、と
  • 大規模言語モデルについての戯言 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    substack notes向けに書いた独り言をこっちに転用。ただの思いつきであり、大きな間違いはないと思うが確認はしてない フォーダー&ルポア「意味の全体論」は、(比喩や見栄ではない)私の文字通りの愛読書だが、最近もチャーチランドの章を読み返した。チャーチランドはコネクショニストとして有名だが、対してフォーダーはコネクショニズム批判で有名だ。このでもコネクショニズムを批判に論じているのだが、今の大規模言語モデルの時代に読んでもなかなかに面白い。 フォーダーのコネクショニズム批判として有名なのは、言語の体系性を反映できないことだが、それは他の学者による最近の論文でも大規模言語モデルの欠点として指摘されている。これは大規模言語モデルが自然言語と異なる最大の欠点の一つだと思うが、まさにフォーダーはそれを三十数年前に指摘していた。つまり、三十数年も経ってフォーダー&ピシリンによるコネクショニズ

    大規模言語モデルについての戯言 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
    sakstyle
    sakstyle 2024/04/17
    フォーダーによるコネクショニズム批判はLLMにも当てはまるだろう旨の話。大規模言語モデルを過大評価も過小評価もしないこと
  • 人の心の普遍性という原理を超える認知科学の方向性を考える(追記つき) - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    近年の心理学では、実験結果が再現されない再現性問題が論じられようになってすでに長い。再現性問題にはいくつかの原因があるが、その一つにWEIRD問題がある。WEIRDとは、西洋の,教育を受けた,工業化された,豊かな,民主主義社会の…の頭文字を取ったもので、心理学の研究対象(被験者)がそうした人たちに偏っているせいで、研究成果をWEIRDな人々以外に一般化できない問題である。これについては以前にここで記事を書いたので、詳しくはそれを見てください。 こうした問題を背景として、古典的な認知科学に潜む隠された前提を暴き、新しい枠組みを提示してこれからを展望する興味深い論文(プレプリントの草稿)を読んだ。その論文の内容を大雑把に私の解説付きで紹介してみたい。 Ivan Kroupin, Helen E. Davis and Joseph Henrich "Beyond Newton" https://

    人の心の普遍性という原理を超える認知科学の方向性を考える(追記つき) - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2023/09/20
    文化進化研究者のヘンリックらが提案する認知科学の新たな方向性/認知科学には人の心の普遍性を探究するという前提があり、これがWIRED問題を引き起こしている。局所的な環境との関係を考える「接合の原理」の提案
  • 書評 ファニーハフ「おしゃべりな脳の研究」 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    「おしゃべりな脳の研究――内言・聴声・対話的思考」 人の内なる声について、科学的成果を交えながら、それを研究する心理学者が分かりやすく伝えてくれる著作 内言や聴声について、専門に研究してる心理学者が、科学的な成果や様々な文献を参照ながら、一般向けに分かりやすく語った著作。前半は思考時に起きる心の中の言葉(内言)について、後半は実際には存在しない声がリアルに聞こえる現象(聴声)について、科学や文学からの色んな事例を取り上げて説明してくれている。ただし、内言と聴声を結びつける著者独自の考え方に基づいているが、そこは当人も認めるように証拠はまだ十分ではない。とはいえ、日語で内言や聴声について科学的に扱った著作は珍しいので、興味を持ったならお勧め。 原題は「内なる声 どのように私達は自分自身と話すかの歴史と科学」。外からは分からない心の中で生じる声について、心理学や脳科学を参照する科学的な章と、

    書評 ファニーハフ「おしゃべりな脳の研究」 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
    sakstyle
    sakstyle 2022/05/20
    内言の研究の奴
  • 自由エネルギー原理の予測処理的な大枠を自分なりに理解してみる - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    自由エネルギー原理については、このブログでは既に何度か批判的な議論を紹介している。フリストンブランケットやメカニズムとの関係についてはすでに記事をあげたが、私自身の自由エネルギー原理への印象は相変わらず良くならない。他に気にしてる話題がなくもないのだが、自由エネルギー原理は最近ネットに上がっている関連論文の数が多く出てきており、どうしても気になってしまう。 もちろん詳しい議論は専門の学者にやってもらうしかなく、私としてはそれに期待している。ただ幾も文献を読んでも自由エネルギー原理への基的理解があまり定まらない。例えばある日の有名学者は論文で運動や主体感はactive inferenceでこそ扱えるかのような書き方をしているが、運動も主体感も自由エネルギー原理が影も形もない頃から予測符号化で扱えることが知られている(運動はWolpertら、主体感はFrithらの研究があった)。 自由エ

    自由エネルギー原理の予測処理的な大枠を自分なりに理解してみる - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2022/03/29
    能動的推論(active inference)について
  • 人工知能は知覚の逆問題を解いたのか? - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    正直なところ、今の人工知能なんて驚異的な統計装置かもしれないけど所詮は生きた心とは似ていない…と最近は高をくくっていた。でも、次の記事を読んだときはマジかもしれないと思い始めた NeRFの仕組みがどんなものかいまいち分からないのでまだ評価しがたいところもあるが、このような説明には納得できるところもある テネンバウムは、このほどMITの助教授に就任したヴィンセント・シッツマンの研究を紹介する。シッツマンらのグループは、限られた数の2D画像を基にニューラルレンダリングの技法を用いて物体の3Dイメージを生成する発想を、19年に初めて披露した。 シッツマンらの研究のテーマは、物そっくりの完璧な3Dイメージを作成することではなく、不完全な写真から物体のおおよその形状を推測するアルゴリズムをつくることだった。これは人間が習慣的にこなしていることだと、テネンバウムは言う。「例えば目の前にあるコーヒー

    人工知能は知覚の逆問題を解いたのか? - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2022/02/26
    二次元イメージから三次元イメージへの変換
  • 自由エネルギー原理とラカン理論を(マルクスを介して)比較する - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    そのうち自由エネルギー原理(または予測処理理論)について自分で説明したいとは思っていた。前々から、自由エネルギー原理とラカンの三界論(象徴界・想像界・現実界)には共通点があることには気づいていたので、それをテコにして説明しようと色々と調べてはいた。もはやこれで説明になるのか?よく分からなくなってきたが、とりあえず記事にはしてみた 自由エネルギー原理とラカン理論を比べてみる この記事を書く準備として、自由エネルギー原理とラカン理論について調べていたら、次のような論文に当たった John Dall’Aglio 「Sex And Prediction Error, Part 2 : Jouissance and The Free ENERGY PRINCIPLE IN NEUROPSYCHOANALYSIS」 まず、この論文にある自由エネルギー原理についての説明が簡潔なので、それを翻訳引用してみ

    自由エネルギー原理とラカン理論を(マルクスを介して)比較する - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2022/02/03
    自由エネルギー原理とラカンの三界理論の類似と差異。2つの違いは科学かどうか。自由エネルギー原理にも説明できない現象があり、その点を科学に譲る必要はないのかも、という
  • 論文「Is the Free-Energy Principle a Formal Theory of Semantics?」の背景を説明する - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    ネットを見てたら、自由エネルギー原理で有名なフリストンが共著者の最新論文が紹介されてた。 ツイートを見てたら、この論文がenactivismを否定してるかのような書き込みを見て、気になって論文を眺めてみた。その結果、それは勘違いだと思ったが、その哲学的な背景が分からないと勘違いしても仕方ないかな?とは思った。 以下にするのは、この論文の哲学的な背景だけであって、論文の解説はしません。にしても、共著者に哲学の研究者がいないのに、哲学的な議論をしているという、どこか奇妙な論文だ。 内容を認めない反表象主義としてのradical enactivism この論文は対立する二つの立場が問題となっている。その一方が最近、流行りのradical enactivismだ。enactivismはもともとヴァレラが提唱した考え方だが、近年になってその考え方をよりラジカルな形で受け継いだのが、radical e

    論文「Is the Free-Energy Principle a Formal Theory of Semantics?」の背景を説明する - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2020/08/17
    自由エネルギー原理と反表象主義と構造的表象論
  • 脳科学で彩られた記事を読む方法、教えます - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    中野信子がマスメディアに出始めた頃は、話題に合わせて新しい論文を適切に参照した発言をしていた。それまでマスメディアに登場してた脳科学者に懲りごりしてた私は、(研究の一般化に疑問はあれど)その賢い発言に感心してしまった。しかし、比較的最近になってラジオにおいて脳科学で人生相談をし始めるのを聞いてから、ガッカリする事が多くなった。 おそらく中野信子が変わる分水嶺となったのは、ベストセラーとなったサイコパスのせいだと思う。私はは読んでないので直接に評価はできないが、当時ラジオで話してた感じではちゃんとした内容なんだと思えた。ただ、そのラジオを聞いてて気になったのは、中野信子はサイコパスは必ずしも悪いものではなく、英雄や天才のように良く働くこともあると強調してたのに、聞き手の側はそこをあまり飲み込めてないように聞こえたことだ。それはサイコパスは犯罪者みたいな人だという偏見が拭えないせいだろうし

    脳科学で彩られた記事を読む方法、教えます - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2020/04/19
    “還元的な説明は科学的な彩りを与える(だけ?)” ここ結構大事だと思う
  • 2010年代に私が感激した認知科学の哲学論文BEST3 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    もう2019年も終わるということで、2019年の認知科学を振り返ろうとする記事を書く計画は立ててみた。しかし、去年までの人工知能ブームが収まった今年は特にこれといった特徴を思いつくこともない。もしかしたらあったかもしれないが私には分からない。predctive proessingやradical enactivismは相変わらず話題にはなっているが、これは別に今年には始まった話ではない。 そこで今年は2010年代も終わりでもあるということで、2010年代の認知科学を振り返りたいと思う。ただ、道徳心理学を自動運転の議論に応用するが流行ったね!みたいに一般的に振り返っても私にはあまり面白くない。そこで、これまで紹介するのを躊躇っていた2010年代に読んで衝撃を受けた認知科学に哲学的にアプローチした英語の論文の私的なベスト3を書いてみたいと思う。すべてネットで手に入る論文なので興味の出た人は自分

    2010年代に私が感激した認知科学の哲学論文BEST3 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
  • ■ - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    どうも、最近使っていた古いタブレットが突然にぶっ壊れてかなり困った蒼龍です。その後、リサイクル店で手頃な中古タブレットを見つけて助かったわ。 認知科学については日ではあまり知られていないが自分ならそれなりに知っているようなことは探せばあるだろうが、面倒なのと知らせる動機が湧かないのとでやる気が起きない。最近だと計算主義批判に反論した論文が面白くて記事に書こうかとも思ったが、そもそも日では計算主義も(身体化論による)計算主義批判もろくに知られてないのに計算主義への反論について書く意義がよく分からないし、一から説明するにも面倒で取り掛かる気は起きない。 最近の日の認知科学事情だと、リサ=バレットの情動(emotion)論の著作が訳されたのが目についたかな。ちゃんと読んでないからここで大したことは言えないけど、リサ=バレットによる情動の構成主義から内受容感覚の予測符号化へという流れは、フリ

    ■ - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2019/12/12
    「リサ=バレットによる情動の構成主義から内受容感覚の予測符号化へという流れ」「つまり、機能や情動の脳部位対応説が失敗したことから脳の計算的メカニズムの探求へと言う流れ」あの本、そうつながるのか
  • ここのブログ記事に書いた自分の直感的理解が論文で確認できた話 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    このブログでは、できれば文献で確認できることを書くように努力はしているが、それでも私がその方が分かりやすいと思ったら直観的な理解に基づいたこともよく書いている。そのうち最近の記事に書いた直観的な理解を論文で確認できた例があったので軽く触れてみたい。 エナクティヴィズムは行動主義的である 以前の記事で私は「反表象主義はダイナミカルな行動主義である」と主張したことがあった。それが最近、反表象主義を採用するとされているエナクティヴィズムが実は行動主義でもあると主張している論文を見つけた。 google:Louise Barrett"Enactivism, pragmatism…behaviorism?"では、エナクティヴィズムの源としてプラグマティズムと共にスキナーの徹底的行動主義(radical behaviourism)を挙げている。これにはなるほどと思う一方で、スキナーから核の行動主義思想

    ここのブログ記事に書いた自分の直感的理解が論文で確認できた話 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2019/10/27
    “実はポーランドの学者は今、認知科学の哲学のレベルがとてつもなく高く”“予測処理(predictive processing)はメカニズム的説明を与えるが、自由エネルギー原理は違うとされる”抽象度が高いということ
  • 自由エネルギー原理についての私的注釈(ただし解説ではない) - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    自由エネルギー原理は神経科学者や哲学者や心理学者などの様々な分野の学者によって議論されている注目の理論だ。日でも紹介され始めて研究が進みつつある。ただそれらを見ていると自由エネルギー原理についての議論がいかに曖昧かが十分に理解されていないように感じる。実際には自由エネルギー原理は必ずしも明確な科学理論とは言い切れず、その解釈も様々である。そこで注意すべき点をここでは幾つか示すつもりだ。 自由エネルギー原理は理論についての理論だ 自由エネルギー原理とはフリストンによって提示された脳に関する理論であり、脳に関する統一的な理論だと言われる。初期の頃は予測符号化と強く結びついていたが、強化学習などとも結びついてより射程の広い理論となっている。さて、ここで最初に問題にしたいのは自由エネルギー原理と予測符号化との関係だ。予測符号化とは感覚運動について説明する数理的な科学理論である。自由エネルギー原理

    自由エネルギー原理についての私的注釈(ただし解説ではない) - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2019/06/25
    「予測符号化は一次理論なのに対して、自由エネルギー原理は理論についての理論、つまり二次理論」/自由エネルギー原理には、複数の解釈がある
  • ベイジアンの合理的分析について考える - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    前回の記事でTauber et al."Bayesian models of cognition revisited"を読んでから、その著者らが批判したがっている最適アプローチなるものが気になって調べてみた。まず、実際に調べてみるとTenenbaumらの研究が合理的だとされる理由がはっきりとしてきた。その源を探ると1990年に出たJ.R.Andersonのにおいて提唱された合理的分析にたどり着いた。J.R.Andersonというと認知アーキテクチャACT-R理論で知られているが、合理的分析の創始者でもあると初めて知った 1。その合理的分析を受け継いた学者として有名なのが、Nick ChaterやMike Oaksfordであり、TenenbaumらはそのChaterとの共著論文をいくつか書いている。つまり、Tenenbaumらの研究は合理的分析の系譜を受け継いでいるがゆえに合理的なアプロ

    ベイジアンの合理的分析について考える - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2018/10/30
    適応主義と研究プログラムとしての生産性
  • カントから見る予測符号化と合理的ベイジアンの特徴 - 蒼龍のタワゴト-評論、哲学、認知科学-

    「The predictive processing paradigm has roots in Kant」を目にして間もないうちは、これを元にして予測符号化(predictive coding;predictive processingとも呼ばれる)と表象主義について記事を書こうと予定していたのだが、そもそもこのテーマ自体が広大なものだとだんだん気づいてきて気軽に記事に書けなくなってしまった*1のだが、それとは別にこのカント論文における予測符号化の理解に問題があると気づいてしまった。そこでとりあえずは表象主義の先にある深い森に入り込むのは避けて、その手前の基的な問題をまとめることから始めようと思った。 同じくベイジアンを用いた理論でも… 「The predictive processing paradigm has roots in Kant」は予測符号化(予測的処理)の考え方とカント

    カントから見る予測符号化と合理的ベイジアンの特徴 - 蒼龍のタワゴト-評論、哲学、認知科学-
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    sakstyle 2018/10/10
    「予測符号化は心の統一理論なのか」
  • 拡張された心はどこに行くのか? - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    二十一世紀に入ってからの身体化論(流行りの言い方だと4e認知(embedded, extended, embodied, enactive))は、二十世紀までの古典的な身体化論に比べるとオリジナルな議論は少なくて、二十世紀までに出てきたのと同じテーマを繰り返し論じている傾向が強い。それらの議論がどこまで深められているかは怪しくもあるが、ここではその中から議論に興味深い展開がありながらも割に日ではまだあまり知られていない拡張された心(extended mind)を紹介したい。これから紹介する内容の基的な流れは「From folk psychology to cognitive ontology」の第四章第三節を元にして構成していますので、源泉となる参照文献はこちらにあるものを見てください。関連する日語の文献としては「頭の外で考えることはできるのか」や「拡張されたシステム」があるので参考

    拡張された心はどこに行くのか? - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2018/09/11
    拡張された心は機能主義に再考を促す/認知の境界についての問題
  • 身体化論をテーマ別に分類してみる - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    私は身体化論に厳しいと書いたが、それは私が身体化論が嫌いな訳ではなく、むしろ元々は身体化論には好意的だったので一通りの知識は持っている。ただ翻訳されたノエ「知覚のなかの行為」を読んだ辺りから疑問を感じ始め、その後ネットで哲学者による身体化*1の論文をよく見かけて読むようになって、その不毛さにゲンナリするようになった覚えがある。2008年段階で心理学者Barsalouが「Grouned cognition」ですべての認知活動に身体が必要だとする考え方を無理があるとして批判しているが、まさに最近の身体化論はそうした極端さ(radical)を自称しており、その認知科学に対する革命家気取りの哲学者にはウンザリしかしてこない。 そういう事情もあって身体化論について書くことには躊躇があった。その中にあって「Dynamical systema and embedded cogniton」はドレイファスか

    身体化論をテーマ別に分類してみる - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
  • 神経科学者セスによる予測符号化についてのTED講演を見よう - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    脳が「意識された現実」という幻覚を作り出す仕組み TEDは学者や企業家をはじめとした様々な注目すべき人たちによる講演を動画として公開している有名な所だが、たまたま専用アプリが目に入ったので試しに見てみた。TED講演の存在は以前から知ってはいたが英語が面倒で長らく無視してきたが、最近は日語字幕付きの動画が増えて見やすくなっている。その中で最近の調べ物でよく目にした学者による講演があったので見た。そうしたら思った以上に優れた講演だったので是非ここでお勧めしたくなった。この記事の冒頭にあるリンクから見れるのでどうぞ。 最近の調べ物というのは、このブログでもすでに取り上げている予測符号化(predictive coding)のことだ。講義のタイトルからすると意識についての講演だと思ってしまうが、内実は予測符号化(から見た意識)についての入門講義となっている。予測符号化についての良書としては既にフ

    神経科学者セスによる予測符号化についてのTED講演を見よう - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
  • フリス「心をつくる」によってpredictive codingについてのモヤモヤをなくす - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    前回紹介した「心をつくる―脳が生みだす心の世界」は当に今になって読んでよかったと思っている。これを読んでpredictive codingに関して感じていたモヤモヤがなくなってきた。それをいくつか挙げよう。 前々回に紹介した「予測的符号化・内受容感覚・感情」は良い論文だが、どうしても違和感があったところがあった。それはpredictive codingを説明するところでヘルムホルツの無意識的推論について言及しているところだが、これはなんか違うと思っていた。これはこのを読んだらスッキリと解消されて、ヘルムホルツの無意識的推論は前半の二重過程説で扱われていて、後半の予測脳の話では同じヘルムホルツでも不安定な網膜像にも関わらず安定した世界を知覚できるのはなぜか?という疑問の方が取り上げられていた。私もこれが妥当な扱いだと思う。実は私が違和感を感じた理由はヘルムホルツの無意識的推論というとリチ

    フリス「心をつくる」によってpredictive codingについてのモヤモヤをなくす - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2018/03/24
    predective codingと身体化論とは相性が悪いのではないか、また統一理論・普遍理論というには時期尚早ではという指摘
  • クリス・フリス「心をつくる」 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~

    「心をつくる―脳が生みだす心の世界」 脳イメージ研究の大御所が一〇年以上前に予測脳について書いていた先駆的な心の科学入門の書 近年、心の科学(認知科学)界隈で予測脳(予測的符号化)がよく話題になっているのだが、その関連でこのの原著の存在を知った。その後で翻訳の存在を知って手に入れて読み始めた。翻訳書の発売当時にも書店の新刊棚で見かけた覚えがあるはずなのだが、その頃はよく出てた心の科学入門のひとつ程度にしか思っていなくて、きちんとは目を通してはなかった。その判断は半ばは間違っていなかったのだが、もう半面の興味深さは今になってやっと理解できるようになった。確かにこのの前半は二重過程説に則った心の科学入門であり、そんなは既に山のように出版されている。しかし、後半の予測脳についての分かりやすい解説は今もって他に代替品のない貴重なものとなっている。一〇年以上前に出たなのに、長らくの認知科学マ

    クリス・フリス「心をつくる」 - 蒼龍のタワゴト~認知科学とか哲学とか~
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    sakstyle 2018/03/24
    “後半の予測脳についての分かりやすい解説は今もって他に代替品のない貴重なものとなっている。”