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ブックマーク / lichtung.hatenablog.com (34)

  • 動物の美学入門:自然、動物園、水族館 - Lichtung

    はじめに 私たちは日々、動物たちを美的に鑑賞している。 鳩がホームにいる。首を前後に振りながら軽快に歩き、素早く地面に頭を下げては何かをついばんでいる。「そこにべるものなどあるのだろうか?」と私たちをしていぶかしめる。 病院の待合室に水槽がある。小さな熱帯魚が泳いでいる。舞台衣装のように鮮やかな赤い線や青い線が引かれた身体が水の中を動く。 「動物の美学」という分野は、おそらくはまだ十分には発達していないが、近年環境美学者を中心に論じられ始めている。ここでは、私が勉強の途中で出会った動物の美学の諸文献についてかんたんにまとめておく。動物の美学に関心のある人の参考になればよいと思う。 まずはこれ 青田麻未. (2019). 動物の美的価値: 擬人化と人間中心主義の関係から. 『美学藝術学研究』37, 1-29. これ一つを読めば動物の美学の全体像がつかめるだろう。 https://repos

    動物の美学入門:自然、動物園、水族館 - Lichtung
    sakstyle
    sakstyle 2024/10/05
    ありがてえ! 水族館論文気になる!
  • ありふれたものの暴力:暴力の批判的美学の構想 - Lichtung

    犯罪学者ジェームズ・ウォルシュによる「例外的な日常:テロと日常生活の兵器化 (The exceptional everyday: terror and the weaponisation of daily life)」という非常に興味深い論文を読む。「日常生活の武器化」とは、日常的にありふれたもの(やかん、衣類、花束、コーヒー缶、、ティッシュ箱、そして、人そのもの)に爆薬を仕込んだりすることで、日常の物品および人が暴力と化すのではないか、と人々を暴力的なものへの恐怖の雰囲気へと引き込むことで、人々に対する何らかの感性的なコントロールを達成しようとするものだ、と解釈できる。 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17539153.2024.2356919?casa_token=ReMliJNSYwIAAAAA%3AdMbjDtK0-m00

    ありふれたものの暴力:暴力の批判的美学の構想 - Lichtung
    sakstyle
    sakstyle 2024/09/28
    “暴力が暴力を受けた人やそれを目撃した人やそれをメディアを通して視聴した人々にもたらす感性的な影響とは何か?”
  • 天使のための日常美学に抗して:サイトウユリコの日常美学三部作を読んで。 - Lichtung

    サイトウユリコの三部作 日常美学において強い存在感を放つサイトウユリコの『Everyday Aesthetics(日常美学)』『Aesthetics of the familiar: everyday life and world-making(親しいものの美学:日常生活と世界制作)』『Aesthetics of care: Practice in everyday life(ケアの美学:日常生活における実践)』を読む。 Everyday Aesthetics (English Edition) 作者:Saito, Yuriko OUP Oxford Amazon Aesthetics of the Familiar: Everyday Life and World-Making 作者:Saito, Yuriko Oxford University Press, USA Amazon Ae

    天使のための日常美学に抗して:サイトウユリコの日常美学三部作を読んで。 - Lichtung
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    sakstyle 2024/08/27
    「(1)日常生活における美的な実践が、同時に倫理的な実践でもある」「私はサイトウとは異なり、これを「癒着」だと思う」サイトウの日常は洗練されて上品な世界。しかし、私たちが生きている世界は違うのでは、と
  • 移民ユートピアを求めて:Aimee Bahng(エイミー・バン)『Migrant Futures(移民的未来)』の紹介 - Lichtung

    概要 金融投機や経済発展の物語に翻弄されるのではなく、そこから解放される道があると、サンフランシスコ州立大学のエイミー・バンは主張している。 バンは、People of colorの作家たちによるスペキュラティブ・フィクションこそが、新しい未来を切り拓く鍵なのだと説く。バンが『Migrant Futures』で分析するのは、1990年代以降に書かれた作品群だ。これらの作品は、SF的な設定を通して、植民地時代の負の遺産や、科学技術が生み出した負の側面を鋭く指摘している。そうすることで、近代の進歩的な神話に異を唱え、西洋中心主義を解体しようとしている。 Duke University Press - Migrant Futures たとえば、カレン・テイ・ヤマシタの『熱帯雨林の彼方へ』は、フォード自動車がブラジルに造ろうとしたゴム農園の失敗を描いている。この作品から、環境破壊や人権侵害に満ちた

    移民ユートピアを求めて:Aimee Bahng(エイミー・バン)『Migrant Futures(移民的未来)』の紹介 - Lichtung
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    sakstyle 2024/03/11
    後で読むかも?
  • SFの7つの美:魅力的なSFのレシピのために - Lichtung

    イスタヴァン・チチェリー-ロナイ・ジュニア(Istvan Csicsery-Ronay JR.)による『SFの7つの美(The Seven Beauties of Science Fiction)』は、SFジャンルに特徴的な7つの魅力を星座を辿るように論じていくSFスタディーズの重要書である。 SFを好んで書き、読んでいるならチェックして損はないだ。 とはいえ、原著も英語でアクセスしにくい。そこで、7つの項目を簡単に紹介しよう*1。 以下は「SF性」=サイエンス・フィクショナリティを形成し、魅力を与えている7つのカテゴリだ。 The Seven Beauties of Science Fiction 作者:Csicsery-ronay, Istvan, Jr. Wesleyan University Press Amazon Beauty 01. 虚構的新語 Beauty 02. 虚構的

    SFの7つの美:魅力的なSFのレシピのために - Lichtung
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    sakstyle 2024/01/17
    この記事見逃してた。Beauty 01. 虚構的新語、Beauty 02. 虚構的ノーヴム、Beauty 03. 未来史、Beauty 04. イマジナリー・サイエンス、Beauty 05. SF的崇高、Beauty 06. SF的グロテスク、Beauty 07. テクノロジャイド
  • SFの認知詩学:ピーター・ストックウェル『SFの詩学』The poetics of science fiction - Lichtung

    1. 認知詩学とはそもそも何か 2. SFスタディーズの理論派 3. 目次と各章紹介 第一章:出発点:方向と地図。 第二章:マクロ:古い未来 第三章:ミクロ:フューチャープレイ 第四章:マクロ:外宇宙 第五章:中間点、回顧と予期 第六章:ミクロ:ニュー・ワーズ 第七章:マクロ:ニュー・ワールズ 第八章:ミクロ:詩的平面 第九章:到来:地の終わり おわりに 1. 認知詩学とはそもそも何か ピーター・ストックウェルの『SFの詩学』を読んだ。SFを認知/詩学的に分析するで非常に魅力的な研究だ。どう魅力的なのか? SFの学術的研究=「SFスタディーズ」そして文学研究に新たな可能性を吹き込むからだ。 The Poetics of Science Fiction (Textual Explorations) 作者:Stockwell, Peter 発売日: 2000/05/02 メディア: ペーパー

    SFの認知詩学:ピーター・ストックウェル『SFの詩学』The poetics of science fiction - Lichtung
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    sakstyle 2024/01/17
    「「SFはメタファを字義通り化する」という分析は非常におもしろい。(第8章)」見逃しないしブクマし忘れ
  • 「SFの驚異の技法」資料公開、そして、SFについてどう語るか - Lichtung

    こんにちは。現代美学を研究しています難波優輝です。分析美学を手がかりにポピュラーカルチャーの分析と批評を行なっています。 2020年9月19日から翌20日にかけて、オンライン上にて開催された哲学研究者若手フォーラムにおいて、SFが現実についてのいかなる洞察をどのように与えるかを論じる「SFの驚異の技法––––サイエンス・フィクション小説における認識的価値いかにしてもたらされうるのか」を発表しました。 資料 内容 SFについてどう語るか 資料 引用例:難波優輝. 2020. 「SFの驚異の技法––––サイエンス・フィクション小説における認識的価値いかにしてもたらされうるのか」2020年度哲学研究者若手フォーラム, <https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/download/293105/cc0f1c396aaa

    「SFの驚異の技法」資料公開、そして、SFについてどう語るか - Lichtung
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    sakstyle 2024/01/17
    何故かブクマしてなかった
  • Problems and Projects-ネルソン・グッドマン『問題と企画』目次 - Lichtung

    『問題と企画』(1972)は、米哲学者ネルソン・グッドマンによる論文集である。彼の『現象の構造』(1951)、『事実・虚構・予言』(1955)、『芸術の言語』(1968)に続いて、4冊目の出版物である。以前の著作を再録したり、著作で扱った問題を論じていたり、続く『世界制作の方法』(1978)における世界制作論の萌芽が見られたりする。全体としては、460ページほどあり、色々なトピックに関心のあるグッドマンらしい論文集の趣がある。邦訳は、何かしらの偶然が重なれば実現するだろう。しかし、グッドマンの読者はまだそれほど多くはないので、まずは読者を増やさなければならない。 インターネットに転がってはいなかったので、目次とその翻訳を載せておく。少しでも関心を惹いたなら幸いである。 ちなみに、各章には、それぞれの論文についての説明や発表当時の状況、他のグッドマンの論文へのリンクなどが記載されている。自著

    Problems and Projects-ネルソン・グッドマン『問題と企画』目次 - Lichtung
  • SFスタディーズ:コンパニオン・ハンドブックリスト - Lichtung

    はじめに SFスタディーズの英語文献のハンドブックやコンパニオンをリストにしています。じぶんの勉強用でもあり、また、SFを研究したいと思うひとの参考になれば。 はじめに Seed, D. ed. 2008. A Companion to Science Fiction (Blackwell Companions to Literature and Culture Series). Wiley-Blackwell James, E. and Mendlesohn, F. eds. 2003. The Cambridge Companion to Science Fiction (Cambridge Companions to Literature), Cambridge University Press. Bould, M., Butler, A. M., Roberts, A. and V

    SFスタディーズ:コンパニオン・ハンドブックリスト - Lichtung
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    sakstyle 2020/07/12
  • 文学の哲学にはどのようなトピックがあるのか - Lichtung

    文学の哲学は、存在論、認識論、倫理学、心の哲学、そして美学から、哲学的に文学を考察する研究ジャンルである。 物語とは何か、物語は人生の何を教えてくれるのか、作者とは誰か、詩的想像力とは何か、フィクションとは何か、詩の深遠さとは何か、キャラクタになぜ惹かれるのか、文学作品はどんな存在なのか、そして、文学とは何か。 稿は、The Routledge Companion to Philosophy of Literature*1 を参照しながら、主に英米圏における文学の哲学の主要な32のトピックを紹介する。文学の哲学について関心のあるひとがさらに学びを深めるために、あるいは、美学や文学の研究者の方が研究の手がかりとするために役立てばと思う。計三万字強あるので、頭から読んでいただくのもうれしいが、気になるところからすきな順番で読んでもらえればと思う*2。 定義とジャンル 1. 文学の概念 2.

    文学の哲学にはどのようなトピックがあるのか - Lichtung
  • 「キャラクタの画像の何がわるいのか」と応用美学の試み - Lichtung

    はじめに こんにちは。神戸大学人文学研究科修士課程在籍の難波優輝です。1月25日に大女子大学にて開催された「描写の哲学研究会」(松永伸司さん主催)にて発表した「これは人間ではない––––キャラクタの画像の何がわるいのか」のかんたんな解説と資料の公開をします*1。加えて、じぶんが現在構想している「応用美学」のスケッチを共有します。分析美学、描写の哲学、ジェンダー表象、そして、哲学と実践に関心のある方はお読みいただければさいわいです。 はじめに 「これは人間ではない––––キャラクタの画像の何がわるいのか」 資料 引用例 解説 応用美学の構想 注 「これは人間ではない––––キャラクタの画像の何がわるいのか」 以下、資料のリンクとかんたんな解説を記載します。 資料 ・スライド: ・配布まとめ資料: 引用例 難波優輝. 2020. 「これは人間ではない––––キャラクタの画像の何がわるいのか」

    「キャラクタの画像の何がわるいのか」と応用美学の試み - Lichtung
  • 分析美学のQ&A:落語と幻想文学、正しい批評、メタ分析美学 - Lichtung

    はじめに 稿は、分析美学の(ひとつの)質問箱にて受け付けた質問に答える記事です。分析美学に関するトピックに興味のある方の参考になれば。 はじめに 質問1:落語と幻想文学 質問2:正しい批評 質問3:メタ分析美学 注 質問1:落語と幻想文学 Q.1:「友達が落語と幻想文学の共通性をテーマに苦しんでいます。何かヒントはありますでしょうか」(明智小五郎さん) A.1:おもしろい質問ですね。落語と幻想文学。人生ではじめて口にしたならびです。「共通性をテーマに苦しんで」いるとのこと。わたしは「共通性を見出したい」と理解しました。どちらも詳しくないので一般的なヒントを二点だけ。 まずは、それを問う意義はどんなものか考えてみるとよいです。落語と幻想文学の共通性を見出すと何がうれしいのか。なぜその作業に意味があるのか。友人が彼/彼女自身の家族やあなたを納得させうる説明を組み立てていくなかで、問うべき問い

    分析美学のQ&A:落語と幻想文学、正しい批評、メタ分析美学 - Lichtung
  • 詩の哲学入門 - Lichtung

    はじめに 詩(poetry)とは何か、詩は翻訳できないのか、詩の形式と内容とはどう関係しているのか、詩における「わたし」とは誰か、詩の真理と深遠さとは何か、歌詞、詩、短歌、これらのジャンルにはどのような特徴があるのか。こうした問いを哲学的に問う学問領域は近年、「詩の哲学(Philosophy of Poetry)」として、活発な広がりをみせている。 稿では、詩の哲学において問われている問いを提示することでこの分野の輪郭を描くとともに、その意義を示すことで、詩について哲学的に考えるおもしろさを伝えることを試みる。 稿の構成は以下の通り。第一に、定義論とその意義に触れ、第二に、翻訳不可能性、形式と内容の統一性について、第三に、詩における「わたし」とは誰なのかを考察し、第四に、真理と深遠さに関する議論を概観する。第五に、詩の哲学の意義をあらためてまとめ、さいごに、短歌、現代詩、歌詞といった詩

    詩の哲学入門 - Lichtung
    sakstyle
    sakstyle 2019/01/26
    詩の定義、詩の言い換え可能性、詩の中に出てくる一人称は誰を指しているか(詩的ペルソナ)、詩と真理・抽象的思考、詩の哲学は車輪の再発明か
  • 概念工学と概念倫理学 - Lichtung

    はじめに 稿では、近年、いっそう活気づいている哲学的な方法論のひとつ、概念工学、および、概念倫理学に関するかんたんな紹介を行います。哲学における概念創造について考えているひとや、どのような概念をつかうべきかを気にしているひとには、いくらかヒントになるかもしれません。 概念工学ということばは、いくどか言及されていますが*1、概念工学とはなにか、それのなにがうれしいのか、どのような問題があるのかについて、アクセスしやすいかたちでの、あるていど以上くわしい日語の解説を探していました。 しかし見当たらず、なら書いてしまおう、ということで、稿では、哲学の文献データベースサイトであるPhilPapersのエントリ「概念工学」の訳と、それに加えて、いくつかの論文を読んだうえでの覚え書きを書き添え、概念工学と概念倫理学のおおまかな輪郭を描くことで、この興味ぶかい分野のかんたんな案内をします。 はじめ

    概念工学と概念倫理学 - Lichtung
    sakstyle
    sakstyle 2018/09/07
    “概念工学/倫理学は、両者ともに、概念に関する規範と評価に注目し、じっさいに概念を改善することを志向する哲学的方法論のひとつである。”
  • ヴァーチャルリアリティはリアルか?:VRの定義、存在論、価値 - Lichtung

    近年、ソーシャルVRと言われる『VRChat』のサービス開始(2017年2月〜)や、VRヘッドセットやVR技術の漸進的な普及、そして、VRのアイコンといえるVirtualYoutuber(Vtuber, VTuber)らの登場で、ヴァーチャルリアリティの世界は一段と盛り上がりをみせている。それらはコミュニケーションのあり方を変え、新たなゲームプレイやエンターテイメントの可能性もたらすとともに、哲学的にもさまざまな魅力的な問いをわたしたちに投げかけている。 たとえば、なんとなくわかったような気がしている、ヴァーチャルリアリティとは何だろうか。それはどうヴァーチャルなのだろう。ヴァーチャルな世界は現実世界とは違うのだろうか。さらにそれは、さまざまな物語のなかの虚構世界とは違うのだろうか。もしそれらが互いに異なるとしたら、それはどのようにしてだろうか。また、VRはMR(複合現実)やAR(拡張現実

    ヴァーチャルリアリティはリアルか?:VRの定義、存在論、価値 - Lichtung
    sakstyle
    sakstyle 2018/04/22
    チャーマーズの論文紹介。デジタル対象としてのVR実在論。没入、インタラクション、コンピュータ生成の三要素でVRを特徴付ける
  • A. W. イートン「(女性の)ヌードのなにがわるいのか?」PART II - Lichtung

    PRT I→http://lichtung.hatenablog.com/entry/2018/03/17/215144の続きです。 Art and Pornography: Philosophical Essays 作者: Hans Maes,Jerrold Levinson 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr 発売日: 2015/09/01 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログを見る メイル・ゲイズ 個体と一般 性的モノ化の何が問題なのか? 1. 衣服を着た男性、服を脱いだ女性 2. 膨大な女性のヌード 3. ヌードのマナー 4. 女性芸術家の排除 まとめ 疑問 メイル・ゲイズ 前エントリの紹介までで、イートンの分析によって、視覚芸術が性的モノ化を行うことが示され、これにより、 女性のヌード作品の 第一義的な機能が視覚的にエロティックな快の供給にあることが明ら

    A. W. イートン「(女性の)ヌードのなにがわるいのか?」PART II - Lichtung
  • J. グラント「隠喩と批評」 - Lichtung

    キャロル『批評について』に触発され批評の周辺を探索しています。 取り上げるのは、ジェームス・グラントの論文「隠喩と批評」(2011)。 この論文では、なぜ芸術批評においてしばしば隠喩が用いられるのか、批評家は隠喩によって何を達成しているのかが問われる。 前半ではまず分析のための道具を準備する。隠喩の性質に関してグラントが提唱する「ミニマル・テーゼ」が取り上げられる。いくつかの批判に応答することで、その理論を批評の分析に用いてもよいことを示す。後半では批評家が隠喩を用いて何をしているのかを実際の例を挙げて記述しつつ前半で擁護したミニマル・テーゼを用いて分析する。 似ている性と似させるもの 隠喩の二つの種類:似ている性と経験 まとめと疑問 似ている性と似させるもの まず、隠喩一般を説明するミニマル・テーゼ(Minimal Thesis)とは次のような主張だ*1。 例外をのぞいて、隠喩の対象が隠

    sakstyle
    sakstyle 2018/03/17
    批評で用いられる隠喩について/隠喩のミニマル・テーゼ/作品に帰属する性質の指摘、鑑賞の際の経験の指摘
  • ノエル・キャロル『批評について』 - Lichtung

    『批評について』について アメリカはニューヨーク市立大学に勤めている著名な美学者ノエル・キャロルの著作『批評について』(邦訳:2017年 原著:2009年)は次のひとつの問いを問うています:「批評とは何か、そしてそれはどのようなものであるべきか」。 批評とは何かを問う彼の意図は、同時代の批評家が作品への価値づけから撤退していることに異を唱え、価値づけに関わっていく批評の、そして批評家のありうべきあり方を説得的に示すことにあります。過剰なレトリックに頼ることなく、印象批判に陥らないよう注意しながら、前提にもとづいて主張し、予想される反論に対して応答し、さらに再反論とぶつかり合うことによって議論が進められ「批評とは、理由にもとづいた価値づけである」との主張が展開されます*1。 四つの主張 キャロルは、批評について、四章にわたって、おおきく四つの主張を行なっています。 一つ目は、批評とは理由にも

    ノエル・キャロル『批評について』 - Lichtung
  • IEP:概念の古典理論 - Lichtung

    はじめに 「概念には定義が存在する」と主張する概念に関する「古典理論」についての記事のまとめノートです。 元の記事:インターネット哲学大百科「概念の古典理論」http://www.iep.utm.edu/conc-cl/ 「概念はどうすれば明らかになるんだろう」「定義は便利よね。だけれど、すべての概念は定義できるような性質の存在者なのかしら」と思い悩んでいる方のヒントになればと思います。 はじめに イントロダクション 1 歴史的背景と古典説の利点 2 概念についての概説 a. 意味論的値としての概念 b. 普遍者としての概念 c. 心的依存/心的独立な存在者としての概念 d. 分析対象としての概念 e. 古典説と概念一般について 3 古典的分析 a. 必要かつ十分な条件について b. 論理的構成 c. 古典的分析についてのその他の条件 d. 分析候補の検証 e. 古典的分析に関するアプリオ

    IEP:概念の古典理論 - Lichtung
  • SEP:社会的構成への自然主義的アプローチ - Lichtung

    イントロダクション 社会的構成(social construction)、構成主義(constructionism)、構築主義(constructivism)は、人文社会科学の分野で幅広く使われている用語であり、感情、性別、人種、性別、ホモ・セクシュアル・ヘテロセクシュアル、精神疾患、技術、クォーク、事実、現実、真実といった幅広い対象に関して用いられる。社会構成主義は、おおまかに言えば、こうしたいっけん自然な事実であるようにみえる概念たちが社会的要因によって構成されていることを主張する立場である。このような用語はさまざまな言説においてそれぞれの役割を担っており、そのいくつかは哲学的に興味深いものの、「自然主義的(naturalistic)」なアプローチを採用しているものは少ない。ここで、「自然主義的アプローチ(naturalistic approach)」とは、科学を中心的な、そして(とき

    SEP:社会的構成への自然主義的アプローチ - Lichtung