ブックマーク / garth.cocolog-nifty.com (8)

  • PSH RIP - 映画評論家緊張日記

    フィリップ・シーモア・ホフマンが死んでしまった……なんでこんなことが起こるのだろう? フィリップ・シーモア・ホフマンが。ODで。ショックだった。あまりにも。フィリップ・シーモア・ホフマンは素晴らしい俳優だった。オスカーだって取った。でも、だから悲しいということじゃない。いやそりゃあ優れた俳優が死んだら悲しいけど、そんなことでこんなにショックは受けない。フィリップ・シーモア・ホフマンはぼくの友だった。いつだって、そこにいてくれる人だった。フィリップ・シーモア・ホフマンだけはぼくを裏切らない、とずっと思っていて、そして実際一度たりとも裏切られることはなかった。 ぼくの大嫌いなキャメロン・クロウ監督作品『あの頃ペニーレインと』のフィリップ・シーモア・ホフマンは、彼が演じたさまざまな役の中でぼくがいちばん好きだった役である。そのことについて昔〈ぴあ〉に書いた原稿がある。『シー・ユー・ネクスト・サタ

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    samoku
    samoku 2014/02/15
  • 二度とデルタには乗らない - 映画評論家緊張日記

    デルタ・エアラインには羽田深夜発のロサンジェルス便がある。12時半だかに羽田を発つので、寝て起きればアメリカに着いているという。たいへん便利なフライトである。大学の授業を終えたあと、飛び乗るとちょうどいいタイミング。というわけでサンディエゴのコミコンに行くために、そのチケットを取ったのである。 アメリカで会った友人にはさんざんぱら「2012/07/17/needles-found-in-turkey-sandwiches-on-delta-flights/">デルタの機内に釘が入ってたらしい」「オーヴァーブッキングをくらった友達が居るんだけど、その処理があまりに淡々と慣れていて、逆にヤバイんじゃないかと思った」「三、四時間の遅延は当たり前で騒ぎにもならない」とか滅茶苦茶なことを言われて脅かされていたのである。だが行きはなんの問題もなかったし、別に気にしないで帰りの飛行機に向かった。木曜日

    二度とデルタには乗らない - 映画評論家緊張日記
  • 玄牝 (2010) - 映画評論家緊張日記

    朝日新聞10月29日夕刊に河瀬直美監督作品『玄牝』の映画評を書いた。作は愛知にある吉村医院を追いかけたドキュメンタリー。河瀬直美+吉村医院ということで、どんな怖ろしいものができているのかと恐怖に駆られた人も多いのではないか。 吉村医院は自然分娩を標榜し、一部で熱狂的な支持を受けている産院である。その一方で妊婦と胎児を不必要に危険にさらし、周辺の医院に無用な負担をかけている、とする意見もある。以下のような議論を参照していただきたい。信仰と狂気~吉村医院での幸せなお産 その二 見る前は「お産ともなると精神的なものも大きいし、精神ケアとしてはありかな」くらいに考えていたんだが、映画がはじまって五分くらいで「こりゃないわ」と思ったよ。 吉村医師はこんな調子なのだ。 「今のお産が異常なのは、社会が異常だからだよ。江戸時代ぐらいの社会に戻れば、お産の異常なんかなくなる……医者がお産は危険だ危険だって

    玄牝 (2010) - 映画評論家緊張日記
    samoku
    samoku 2010/10/31
    河瀬直美が自然分娩を標榜する吉村医院を撮ったドキュメンタリー/神秘体験をしたい人にとっては命の危険があったり脱落者がいたりすることはむしろ魅力になり得るだろうなあ。
  • 映画芸術フェア@ジュンク堂新宿店 - 映画評論家緊張日記

    ジュンク堂池袋店ではじまった映画芸術+nobodyのフェアだが、場所が変わって今度はジュンク堂新宿店。色紙も運ばれてきた。 おや? なんか一枚色紙に書かれている文字が変わっているような? こういうのなんていうんだっけ? キジも鳴かずば撃たれまい、だっけ? まあトラックバックも送ってこないようなものは無視しようと思っていたのだが、コメント欄でも書かれているので、一応返答しておく。第二次惑星開発委員会NEWSでは 「オレの中にある悪意はルサンチマンという言葉で表現されるものとはちょっと違うと思うな。」 …そうかなぁ? ------------------------------------- 6/2(水) わかったよ、オレは。要するに正義は向こう(行定&柴咲)にあるんだ。あいつらが世間というものであり、あいつらが正しいのが世の中というものなんだ。そして『世界の中心で、愛を叫ぶ』連中を見た瞬間に

    映画芸術フェア@ジュンク堂新宿店 - 映画評論家緊張日記
  • ボスニア内戦 - 映画評論家緊張日記

    朝日新聞の書評を見て購入した佐原徹哉『ボスニア内戦』(有志舎)を読む。ボスニア内戦の原因とその経緯について、すばらしくよく調べられ、簡潔にまとめられた好著。著者、ぼくと同い年なんだなあ。これを読んでしみじみ思ったのは、人間はいかに愚かなのかということである。人間は愚かで進歩を知らない生き物だ。こんな一節がある。 ジラスが村に入ると、頭を後ろから撃ち抜かれた二人の農夫の遺体が大きな梨の木の下に横たわっていた。そこでは他に六人が殺され遺体は運び去られていたが、幾つもの黒ずんだ血跡が草の上に残っていた。さらに進むと、道の真ん中に二〇人程の遺体が山になっていた。成人男性の遺体は二つしかなく残りは女性と子供たちだった。近くにはまだ温もりが残る揺りかごが転がっており、頭部を砕かれた嬰児の死体が傍らにあった。赤ん坊の左側には胸部を叩き潰され腹部がぷっくりと膨らんだ女の子の遺体があった…… これはスレブレ

    ボスニア内戦 - 映画評論家緊張日記
  • 映画評論家緊張日記: ひぐらしのなく頃に (2008)

    監督・脚:及川中 出演:前田公輝、飛鳥凛、松山愛里 公式サイト ちかごろの若い人たちはみんなこのゲームをプレイしては鉈で斬り合っているのだという。なんか知らないが、おもしろいことになっているようなので、映画が来るのをきっかけに講談社BOX版を二冊読んでみた……え、これ全体の八分の一なの!? 最近のオタクはみんなしてこんな代物を延々と読みつづけてるわけ!? これが「ゼロ年代の記念碑的一大ムーブメント」なのだとしたら、ゼロ年代ってみんな脳死してるとしか言いようがないね!(ぼくがこの“小説”と最悪の出会い方をしていることくらいはわかっている。しかし、ゲームだったら絶対に前半で放り出しているね) さて、映画の方だが、予想通りにダメ小説をそのまま映画化した普通のダメ映画。物語前半部分のまったり世界がないので、ごく普通の駄目ホラーでしかない。最後は圭一くんが「全部わかった……」と言ってがくっと倒れる

    映画評論家緊張日記: ひぐらしのなく頃に (2008)
    samoku
    samoku 2008/05/17
    それでも律儀にタイトルの「な」を赤くするところに評論家としての誠意をみた!
  • ポル・ポト ある悪夢の歴史 - 映画評論家緊張日記

    『ポル・ポト ある悪夢の歴史』(フィリップ・ショート 白水社)を読む。 1975年からおよそ三年のあいだカンボジアを支配し、恐ろしい粛正によって150万人の自国民を殺害したクメール・ルージュの指導者ポル・ポト(名サロト・サル)の伝記である。徹底した秘密主義を貫きとおし、自分の心も決してあかさなかった男の生涯を膨大な資料からあぶり出す力作。一気に読まされた。 興味深い指摘は多々あるが、いちばんなるほどと思ったのは劣等生だったポル・ポトをはじめ、イエン・サリやキュー・サムファンといったクメール・ルージュの指導者たちが、いずれもマルクスをちゃんと読んでいなかったという話である。『共産党宣言』はともかく、『資論』は難しすぎて読めなかった。だからクメール・ルージュの革命思想は当にマルクス主義なのかどうかもよくわからない、というのだ。むしろカンボジア伝統の上座仏教の影響を強く受けているとされる

    ポル・ポト ある悪夢の歴史 - 映画評論家緊張日記
  • どんな映画になりたい? - 映画評論家緊張日記

    未來社のPR誌『未来』の3月号に載っていた岡田秀則の原稿(「草を映画」)が面白かった。映画フィルムに使われる乳剤の原料はいまだ合成されておらず、牛骨や牛皮から取れるゼラチンを使わなければならないのだという。 「私たちがこれまで映画館のスクリーンに見てきたのは、どれもこれも牛の体内物質を通過した光の跡なのである」 あるいは常識なのかもしれないが、ぼくは知らなかった。こういう話を聞くといろいろな夢想が進む。牛骨からゼラチンがとれるというなら、人骨からはどうなのだろう? あるいは量が少なすぎるかもしれないが、もし作れるとしたら? 遺言に「ぼくの骨からは映画フィルムを作ってくれ」と書いておいたら、骨からフィルムを作って、それをみんなで見てくれないだろうか? これはいいね。千の風になって漂ってるよりはずっといい。 もしそれが可能なら、どんな映画になりたい? やはりファスビンダー(『十三回の新月の

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