中国の不動産価格の上昇が止まらない。中国政府の過熱抑制策にもかかわらず、北京や上海など都市部の住宅価格の伸び率が今年9月、統計開始以来の最大値を記録するなど“不動産バブル”の様相を強めている。収入の大半を住宅ローン返済に充てる「房奴(フアンヌー)」(住宅の奴隷)と呼ばれる都市部の住民が急増しているほか、投資や投機目的の売買や転売も後を絶たないことが背景にある。(坂本一之) ≪価格の伸び過去最大≫ 中国の国家発展改革委員会は5日までに、国内の主要70都市の住宅価格伸び率が9月に前年同月比で8・9%に達し、2005年8月の統計開始以来、過去最大になったことを明らかにした。 中国紙の京華時報などによると、北京市統計局と国家統計局の調査で、今年1〜9月の北京市の第5環状道路内地域で、新築住宅の平均価格は1平方メートル当たり1万3754元(約22万円)にまで上昇している。新築分譲住宅の価