●歌手になるため上京した頃生活費は月額1万5000円 物心ついたころからの水樹さんと家族の夢。それは演歌歌手になり、NHKの紅白歌合戦に出演することだった。 「『男ならプロ野球、女なら歌手』……。頑固一徹な父は、私が生まれる前からこう決めていたようです。歌唱指導を行うために母と揃ってカラオケ講師の資格を取得し、カラオケ教室を自宅内で始めたのは、私が4歳の時でした」 そして中学3年の6月、全国せとうちカラオケ選手権大会で優勝。これを機に東京の音楽事務所にスカウトされ、ボイストレーナーの先生の自宅に内弟子として下宿し、堀越高校の芸能活動コースへ進学することになった。 「実家が裕福だったわけではありません。歯科技工士の父の収入は限られていて、学費やレッスン代、下宿代の工面だけでも大変だったろうと思います」 毎月の仕送りは3万円。実家の家計を考えれば、不満は言えるはずもない。通学定期代な