『キーボード配列QWERTYの謎』(NTT出版、2008年3月)の読者から、橋本毅彦の『「ものづくり」の科学史』(講談社学術文庫、2013年8月)を読んでみてほしい、と連絡があった。読んでみたのだが、ヨーロッパにおける紙のサイズの標準化に関して、かなりヒドイことが書いてあって驚いた。 アメリカで紙のサイズが決定されたのと同じ頃、ドイツにおいてA、Bの紙のサイズの規格が提案され、標準として定められた。 (中略) ちなみに、A0というサイズの二辺はそれぞれ一一八九ミリと八四一ミリ、掛け合わせてちょうど一平方メートルになるように定められている。 第一次大戦後の荒廃したドイツでこのサイズが提案され国家規格として採用されると、その規格は速やかにヨーロッパ各国で採用され、紙サイズの国際規格となっていった。現在このような紙のサイズを国内規格として定めている国は、米国とカナダ以外のすべての国になる。(pp