中国広東省深圳市で日本人学校に通う男子児童が刺殺された事件から1週間。背景や対応について垂秀夫前中国大使に聞いた。【聞き手=米村耕一】 大使だった2023年春に深圳日本人学校を訪問した。それだけに今回の事件は胸が張り裂けそうな思いで、強い怒りを感じている。犠牲となったお子さんにも会っていたかもしれないと思うからなおさらだ。 わずか3カ月の間に2度も日本人学校に対する襲撃が起き、いずれも死者が出た。これは中国外務省が主張するような「どこの国でも起きうること」で済ませて良いものであろうか。 日本人学校というのは在中国の邦人社会で最も弱い「関節」だ。ここ数年、「スパイを養成している」などのデマをばらまき、この最も弱い所への攻撃を誘発するような動画が中国のSNS(ネット交流サービス)上に出回っている。 これまで模倣犯を警戒し、あまり公にしてこなかったが、日本人学校への投石や落書き、物を投げ入れると