まち歩きのススメ【まち歩きのススメ】 蒸し上がったばかりの葉っぱ形べこもちを運ぶ工藤さん。「道南では保存食でしたから、東北より固めなんです」 葉っぱ形、カマボコ形などさまざまな形がある札幌の「べこもち」 練り上げてカマボコ形にしたものを蒸してから切り分ける「くじらもち」 ■姿形、所により様々 「べこもちって北海道だけだよね」。お菓子屋さんでそう聞いた時は驚いた。べこもちは東北にもあるのだ。名の由来は、色や形がベコ(牛)に似ているなど諸説あるが、姿形は場所によって違う。共通点を探すと、どれも米粉(べいこ)が材料。となると米粉で作った餅菓子だから「べこもち」という説に説得力がある。 「端午の節句や祝いごとなどに家庭でも作ってました」と話すのは、函館の「大黒餅」3代目工藤健一郎さん。店は1934年の大火で末広町から堀川町へ。うるち米ともち米の粉に白糖や黒糖などを入れ練って蒸すべこもちは、店の