「葬式まんじゅう」という言葉があるように、仏事には和菓子が欠かせない。 北海道で葬式まんじゅうといえば、もちろん中華まんじゅうである。 葬儀の慣習には地域によって違いがあり、引き出物の和菓子も各地でいろいろなものが使われる。北海道以外をみると、関東で「春日まんじゅう」や「青白まんじゅう」、関西では「黄白まんじゅう」「おぼろまんじゅう」などが多いようだ。逆に、これほど広い北海道が、中華まんじゅう一色というのはめずらしいことかもしれない。 北海道の葬儀に、いつから中華まんじゅうが使われるか定かではないが、1644年(正保元年)函館に建てられた「称名寺」の住職であり、郷土史研究家でもある須藤隆仙さんはこう語る。 「戦前は『通夜ぶるまい』といって、お通夜に来た人みんなに中華まんじゅうを配っていました。大正時代にはもうあったと思いますよ」 函館など道南ではかなり古くから使われていたようだ。もともと、