毎日新聞の特別養護老人ホーム全国アンケートで、要介護3でさえ入所を見合わせている実態が明らかになった。要介護1、2に改善した人は退所を余儀なくされるため、リハビリ意欲をそぎ、費用の無駄遣いを招く恐れもある。要介護認定は認知症の人が要介護2以下とされやすく、国が制度化した軽度者の特例入所はわずかしか使われていない。一方で施設乱立で特養ホームには空きも出始めており、入所制限には「失政」との批判も出ている。【斎藤義彦、稲田佳代】
![クローズアップ2017:特養、受け入れ敬遠 国の制限「意味ない」 | 毎日新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2513e90dba5054a7607f2d0b437a85c0bb7896bd/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2017%2F05%2F05%2F20170505ddm001010009000p%2F9.jpg%3F1)
特別養護老人ホームの約2割が要介護3の入所を見合わせていることが毎日新聞の全国アンケートでわかった。国は2015年に入所者を要介護3以上に制限したが、介護報酬の加算や要介護認定の不確かさを理由に施設側が受け入れを敬遠した形だ。2割以上の施設に空きがあるとみられ、要介護1、2でも認知症のある高齢者の受け入れ要望も多く、入所政策の見直しが迫られそうだ。(3面にクローズアップ) アンケートは2月、東京都、大阪府と全国の政令市で特養ホーム計1000施設に実施、359施設から回答を得た。要介護3を「将来の退所の可能性を考慮して入所を見合わせる例があるか」との問いに66施設(18・4%)が「ある」と回答。うち6割程度が「次の認定で2以下に下がりそうなら見合わせる」(首都圏の施設)とした。
県は1日、若年性認知症の患者やその家族、勤務先などの関係者への支援活動を行う「若年性認知症支援コーディネーター」を公益社団法人「認知症の人と家族の会」埼玉県支部(さいたま市北区)内に配置した。県内では初の試みで、相談窓口も開設。県の担当者は「一人でも多く相談してもらい、オーダーメイドの支援をしていきたい」と期待している。 県地域包括ケア課によると、若年性認知症は18歳以上65歳未満で認知症を発症することを指し、厚生労働省が平成21年に発表した推計によると、平均発症年齢は約51歳。推計を基にした県の試算では、県内には27年1月1日時点で約2千人の患者がいるとみられる。 発症時は仕事や子育ての「現役世代」に当たり、男性が患者となる傾向にある。患者自身の就労に支障を来したり、生活費や子供の教育費の問題が生じるという。 27年に内閣府などが策定した新オレンジプランで各都道府県で29年度中の配置が目
京都市で4日間にわたり開かれた「第32回国際アルツハイマー病協会(ADI)国際会議」が29日、閉幕した。78カ国から約4000人が集まり、認知症の人の参加は過去最多の約200人となって多くの当事者の声が伝えられた。主催者の一つ「認知症の人と家族の会」の高見国生代表理事は「認知症への理解がより高まったと感じる。日本での認知症施策の進展につながる」と振り返った。 この日の若年性認知症に関する発表では、5年前に認知症と診断された富山市の芦野れい子さん(69)が、介護する夫の祐嗣さん(74)と壇上へ。夫の質問に答える形式で話し、「最近困ったことは」との問いに「時々、お父さん(祐嗣さん)が分からなくなることがあります」などと答えた。毎日1時間以上かけて2人で公園を散歩し、しりとりをしたり歌ったりしながら過ごすという。「今、心配なことは」と聞かれ、芦野さんは「こ…
世界中の認知症の専門家や当事者らが集まる「第32回国際アルツハイマー病協会国際会議」は28日、「認知症と災害」についてのセッションが行われた。日本の医師が、東日本大震災後の認知症の患者や家族らの状況について報告し、日頃からの備えを訴えた。 東京都健康長寿医療センターの粟田主一医師は、震災後に仙台市で治療に当たった状況を説明。津波に流され救助された80歳の女性が、同じ言葉を繰り返すばかりで身元が分からなかったが、3日後に探し当てた家族によって以前から認知症だったことが判明した事例を報告した。 さらに、避難所で苦情を言われるなどして、車の中で過ごさざるをえなかった認知症高齢者と家族もいたとしたうえで、「認知症の人への緊急支援計画を、地域の防災計画に含めるべきだ」と指摘した。 また、国際アルツハイマー病協会は、災害後に認知症の人に適切な治療とケアを提供するための「災害対策イニシアチブ」を年内に完
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認知症の人に優しい街づくりに向けた機運を高めようと、京都府は認知症啓発の漫画冊子「自分らしく、認知症とともに」を完成させた。認知症の人や家族、医療機関に取材をしてストーリーを構成し、イラストは府と包括協定を結ぶ京都精華大学の大学院生が担当した。英語版も作り、26日から京都市内で開かれる認知症に関する世界最大の大会「第32回国際アルツハイマー病協会(ADI)国際会議」で世界各国の関係者に配り、府内の取り組みを世界に発信する。 57歳で認知症と診断された女性が主人公。診断直後は不安で閉じこもりがちな生活を送ったが、当事者や家族の交流や学びの場「認知症カフェ」で出会った仲間との交流を通じて病気を受け入れ、自分らしい生き方を見つけていく内容になっている。府高齢者支援課の担当者が京都市や宇治市の認知症当事者と家族3組に経験や思いを聞き取り、若年性認知症の人のためのデイケアプログラムや認知症カフェなど
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