国立ハンセン病療養所「長島愛生園」(岡山県瀬戸内市)の入所者自治会長、中尾伸治さん(82)は2005年10月に天皇陛下と来訪された皇后さまの姿が忘れられない。 耳が遠い盲目の男性が「誰や」と尋ねると「美智子です」と答えた。職員が「お時間です」と促しても、口ごもる入所者の緊張がとけるまで待った。 皇后さまは個別に療養所の園長と会うなどハンセン病に特別な関心を寄せてきた。背景には、歴代皇后とハンセン病の縁がある。 奈良時代の光明皇后は患者のうみを吸い取ったとされ、明治天皇の皇后だった昭憲皇太后は民間の療養所に支援金を贈った。大正期の貞明皇后はとりわけ熱心だった。寄付金をもとに「癩(らい)予防協会」が創設され、1932年の歌会では「つれづれの友となりてもなぐさめよ ゆくことかたきわれにかはりて」と詠んだ。今も各地の療養所に歌碑などが残る。 この記事は有料記事です。 残り1876文字(全文2248
宝塚市がLGBTへの理解を深めてもらうために作成した教員向けリーフレット=兵庫県宝塚市役所で、石川勝義撮影 宝塚市は、性同一性障害や同性愛といった性的マイノリティー(LGBTなど)への理解を深めてもらおうと、教職員向けと一般向けの2種類のリーフレットを作成した。性への意識が高まる思春期や青年期は、制服やトイレなど学校生活に関する悩みも多く、生徒の心に寄り添った向き合い方が紹介されている。【石川勝義】 市は昨年6月、同性カップルを公的に証明する文書を発行する制度を導入するなど、LGBTの市民がありのままに生きられるような施策を進めている。リーフレットの内容は、LGBTに関する意識調査を実施している宝塚大看護学部の日高庸晴教授が監修した。 教職員用のリーフレットでは、LGBTの58%がいじめ被害、21%が不登校を経験していると指摘。同性愛・両性愛の男性の場合は、66%が自殺を考えた経験があり、
映画『地の塩 山室軍平』が、10月から東京・新宿武蔵野館ほか全国で公開される。 同作は、社会福祉の先駆者と称され、日本人初の救世軍士官となった山室軍平を描いた作品。1872年に岡山で生まれた山室は、1889年にキリスト教の洗礼受け、1895年に救世軍に参加した。67歳で没するまで、生涯にわたって社会福祉運動に身を捧げた。1915年に藍綬褒章を受章。 山室役を演じるのは映画監督としても活動する森岡龍。妻・山室機恵子役を我妻三輪子、岡山孤児院の創設者で「児童福祉の父」といわれる石井十次役を伊嵜充則、同志社大学の創設者・新島襄役を辰巳琢郎が演じる。監督は『9/10 ジュウブンノキュウ』の東條政利。 森岡龍のコメント 宗教家、かつ、実在の人物を演じさせて頂くことは初めての経験で、ありがたい反面、背筋が伸びる思いでした。倒れては立ち上がり、揺らいでは立て直す。その不屈の精神と熱量を、山室軍平さんから
大学生間の性暴力事件「キャンパス・レイプ」を防ぐために性行為での「同意」について考えるワークショップ「これからの『性』の話をしよう」が、東大生有志により4月25日に駒場キャンパスで開かれた。同ワークショップは東大生有志「Believeキャンペーン@東大」が学部生・院生らを対象に主催したもので、昨年5月に東大生5人が女子大学生への強制わいせつ容疑で逮捕された事件や、他大学で起こったキャンパス・レイプをきっかけとしている。大学で「同意」について考える国内初のワークショップに弊紙記者2人も参加し、お互いを尊重できる性のあり方などについて20人程度の学生らと意見を交わした。(取材・矢野祐佳、分部麻里) 日本における性暴力事件の現状について説明する主催者 だまされても、強要されても、日本では「強姦罪」が成立しない プログラム前半では主催者から、日本での性暴力の現状や110年ぶりに改正予定の刑法の性犯
チッソに補償命じる=水俣病、賠償確定の遺族勝訴-大阪地裁 水俣病の損害賠償請求訴訟で賠償金を得たことを理由に、原因企業チッソが補償協定を結ばないのは不当だとして、水俣病認定患者2人の遺族が同社に補償を求めた訴訟の判決が18日、大阪地裁であった。北川清裁判長は「確定判決を患者に不利に解釈するのは相当ではない」と述べ、訴えを認めた。 訴えたのは2013年に死亡した女性の70代の遺族女性と、07年に死亡した男性の遺族。患者2人は水俣病関西訴訟で04年にそれぞれ650万円の賠償が確定した後、熊本県から患者と認定された。 チッソが1973年に患者側と結んだ補償協定は「締結以降に認定された患者にも適用する」と定めており、遺族は賠償金を上回る内容の補償を求めたが、チッソは確定判決を理由に拒否した。 北川裁判長は、補償協定には被害者全員の救済と再発防止が盛り込まれていると指摘。「甚大な被害をもたらし
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