「がんの治療を受けていることを、今日まで誰にも言わずに頑張ってきました。おかげさまで体は生きています。でも日に日に寂しさが募り、生きている実感が持てずにいます」 13年前、当院に相談部門を開設して間もない頃に出会った患者さんの言葉です。発病から数年間、がんであることを周囲に伝えるすべを知ることなく、知人や地域活動とのつながりを徐々に失いながら過ごしてきたということでした。 解決策を知らない、情報を得られないということが、時に生きる意味をも揺るがすものとなることを痛感させられました。それとともに同じつらさを抱える人がこれ以上増えてほしくない、という気持ちが強く心に刻まれた瞬間でした。
![くらしとつなぐ:相談活用し前向く力に=国立がん研究センター東病院 がん相談統括専門職 坂本はと恵 | 毎日新聞](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a7942dbaccad4e54609d8bab677184c6329d6058/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn.mainichi.jp%2Fvol1%2F2017%2F04%2F16%2F20170416ddm001010002000p%2F9.jpg%3F1)