大学とは何かという根本命題が教育の面からも財政の面からも問われている。関係者の危機感が強くにじみ出ているものの、方向性が見えない無念さもうかがえた。 11月15日に開かれた文部科学省の中央教育審議会大学分科会。文科相の諮問機関で、今後の高等教育の政策を議論する有識者による会議だが、この日は、(1)キャリア・職業教育のあり方を議論してきた特別部会の答申案について大学分科会が意見を述べる(2)文科省の来年度予算の概算要求・要望について(3)今後の審議テーマについて、が議題となった。 いずれも、高等教育政策を考えるうえでは重要なプロセスで、委員から意見が続出した。 キャリア・職業教育についての答申案は大学分科会とは別の部会がまとめたものだが、わかりやすくいえば、大学とは何かという問題が突きつけられたともいえる。 学校から大学の教育のなかでキャリア・職業教育を充実させることを答申案は述べて