吉田恵輔監督の新作。 学生の頃から脚本家志望だが、気づけば34歳になった馬淵みち代。もう何度目かわからないシナリオスクールに友人と共に通い始めるが、そこで自称天才脚本家だが、一枚も書いたことのない天童義美という男と出会う。最初は彼に呆れていたが、大口に痛いところを突かれて次第に反発するように。だが、天童はいつでも脚本に一生懸命なみち代に惹かれており……。 ツイッターで薦められて観た『さんかく』(http://d.hatena.ne.jp/chateaudif/20100806/1281103464)の、嫌ったらしい心理と状況の描写の素晴らしさにはうならされたものだが、今作もそこのところは健在。それを感情移入の限りを尽くした「主役」側の人間にも容赦無く適用していく。見ていて、まるで自分のことを描かれ、さらにそれを切り刻まれているかのような、どこかマゾヒスティックな感覚を味わう。寄り添わせて落