初めてよしながふみさんのコミック『大奥』を読んだのは10年以上前のことでした。 キャラクターひとりひとりに血肉が通っていて、まず、ヒューマンドラマとしてすばらしい。その上、ジャンルとしてはSF時代劇。それが要所要所はかなり史実とリンクする形でくくられている。とにかくものすごい離れ業が信じられない完成度でまとめあげられていることに驚きました。 「どうすればこんな物が作れるのか。言うまでもないが、私には一生かけても作れまい!」 そんなワケで、この作品がこの世に存在して、それを楽しめることをただただ「ありがたし」と手を合わせていたのでした。そんなところに当時ドラマ10の編集長をやっていた岡本幸江さん(『ごちそうさん』『おんな城主 直虎』でご一緒)と「今どんなドラマをやったらいいもんかねぇ」と雑談する機会があったのでした。 ドラマ10なので1日の終わりに近い時間にどちらかというと女性が観るものを想