国の天然記念物に指定されている奈良公園のシカは、周辺の地域に生息するシカとは異なる遺伝子型を持っていることがわかりました。 1000年以上にわたり独自の集団として生き残ってきたと考えられ、研究チームは「人間が『神の使い』として保護してきた結果ではないか」としています。 この研究は、福島大学と山形大学、奈良教育大学が共同で行い、アメリカの専門誌に発表しました。 研究チームは、20年ほどかけて奈良公園周辺や紀伊半島各地に生息するニホンジカ、およそ300頭の遺伝子のサンプルを収集し、その配列を分析しました。 その結果、奈良公園のシカから検出された遺伝子型の1つが、ほかの地域のシカからは全く検出されず、独自のものであることがわかったということです。 この独自の集団が現れたのは、少なくとも1000年以上前と考えられ、それ以降、紀伊半島に生息する別の集団との交流が無かったことが明らかになったということ