多くの人が受けたことがある歯科治療。今、その治療がピンチに陥っています。歯科医師の指示で歯の詰め物・入れ歯などを作る「歯科技工士」のなり手が、20年で4000人以上と大幅に減っているのです。40年以上経験を持つ技工士への取材を通じて見えてきたのは、土日も問わず朝までの長時間労働、そして低収入といった過酷な勤務実態でした。若手の技工士は「時給600~700円で他の仕事の方がマシ」など待遇や長時間労働への不満を訴えています。 【写真を見る】技工物つくる様子を近くで見ると 兵庫県尼崎市で歯科技工士として働く泉敏治さん(67)は、この道47年の大ベテランです。個人の技工所でさまざまな機械を使い分け、義歯や歯のかぶせ物を手作りしています。 技工物を作るには、細かい作業や修正も含めると40~50の工程があり、それをほぼ全て手作業でしないといけないといいます。これは、歯の形などが人によりバラバラで、オー