自動車のボディーで、鉄の代わりに「炭素繊維」や石油からつくった「樹脂」が使われ始めた。各国が燃費の基準を厳しくするのを見こし、車体を軽くして燃費をよくしたり、走りをよくしたりするためだ。化学メーカーも開発に力を入れており、今後は量販車にも広がっていきそうだ。 ダイハツ工業が6月に売り出した軽自動車のスポーツカー「コペン」は、ドア部分を除いて外板(ボディー表面の板)のほとんどが樹脂でできている。車の骨格部分で安全性を保てるよう設計し、実現した。燃料タンクも樹脂製で、鉄だけでつくるより車の重量は10キロ近く軽くできたという。 ダイハツは、昨年10月にモデルチェンジした軽自動車「タント」でも、後ろにあるハッチバックのドア部分を樹脂にして軽くした。 樹脂を使うねらいは、車を軽くすることだ。軽くなればより少ないエネルギーで走れるようになるため、燃費が良くなる。自動車メーカーはエンジンなどの性能と同じ