12月9日に発表された10月の経常収支は赤字化し,さらに季節調整済値では初めて2ヵ月連続の赤字となりました。 経常収支の赤字化は,鉱物性燃料輸入という貿易要因への円安効果が注目されますが,実は,もう一つ金融面の影響もあります。これは案外と気づかれていません。 むしろこちらの方が問題かもしれません。貿易収支の赤字は,Jカーブ効果が出なくても原子力発電所再稼働が実現すれば解消します。その判断は難しいかもしれませんが,少なくとも解決方法がはっきりしています。 一方で金融面は,短期資金の流入です。短期資金は,アジア通貨危機の時に注目されました。それとは規模や状況は全く異なるとしても,金融市場の変動をもたらす可能性はあります。日本は財政問題も抱えており,国内外の資金の動きが重要になっています。けれども,解決方法は明らかではありません。 経常収支は,おおむね貿易収支と所得収支を足し合せたものになります
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