北海道興部(おこっぺ)町が運営する風力発電所が、完成から約10年で廃止となった。コスト面で運転が困難となったためで、町は風車を固定し、モニュメントにする予定だ。 発電所は2001年に完成。風車1基で、建設費約1億9000万円のうち独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」がほぼ半額を、町が約5000万円をそれぞれ負担した。だが、売電収入は約9年半で計6170万円で、6430万円の維持管理費と均衡。10年秋には部品が破損し、約4000万円の修理費が賄えなくなった。 北海道は国内風力発電の約1割を占め、有数の適地と言われるが、小規模施設が直面するコスト高の現実が露呈した格好だ。