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ブックマーク / ameblo.jp/vin (17)

  • 『異常で無意味な食品規制』

    地元の石川県で、近々にモンサント陰謀論の映画の上映会があるそうです。 全く個人的には、モンサントや遺伝子組み換え農産物が馬鹿げた形で批判されようと特に不利益はありません。ラウンドアップが使えなくなることはありえないし、GM作物はもともと商業栽培出来ないし、品を買うときに加工品も含めて「遺伝子組み換え不分別」など気にしたこともないので。逆に陰謀論を叩いたところで利益があるわけでもありません。 ただそれでもこういう風説が気にわないのは大きく二つ理由があって、一つにはデタラメで他者を叩き、そのカウンターの位置に立ってお金儲けをする遣り口が気にわない(農薬を叩いて有機栽培野菜を売る業者やハイブリッド種の野菜のデタラメを流して固定種?の種を売る業者なども同様)のと、もう一つにはそういう人の意見を汲み取るマスコミや一部政治家のおかげで品規制が異常な状態になっていると思えるからです。 私は、例え

  • 『ネオニコ系農薬と、ミツバチ問題と反対運動』

    私は、農薬に関する記事を読む際に最も重要なのは、その農薬が「どの農薬」なのか把握することだと思っています。 新聞記事やテレビニュースにはありがちですが、「農薬」や「○○系農薬」とだけ書いて、個別には一体どの農薬のことなのかさっぱりわからないものがよくあります。 そういう記事の問題は、問題の前提の把握が非常に難しくなることにあり、そのため対処が余計に難しくなることにもあります。単純に言えば、問題の種類が「農薬のせい」なのか「その農薬のせい」なのかがわからないためです。この違いは特に農薬反対運動をするならば極めて重要なはずですが、不思議なことに自分が知る限りほとんどの反農薬活動家はこの違いを無視してすべての農薬を忌み嫌い、結果として運動が実を結ぶことはほとんどありません。 それを踏まえて、読んでみたい話があります。今朝の地元紙にネオニコチノイド系農薬がミツバチの帰巣能に影響を与えていることを

  • 『私は農業の6次産業化が嫌いです。』

    最初にタイトルを補足しておきますが私は農業の6次産業化的なことを、意欲のある個々の農家や農業法人が取り組むのは別に嫌いでもなんでもありません。国の政策としてこういうのを進めるのは理解しがたいと思うだけです。 先日も紹介した松永和紀さんのコラムに農業の6次産業化について取り上げたものが載りました。 無責任な「6次産業化」が、心配 http://www.foocom.net/column/editor/8622/ 6次産業化への懸念に、多くの反響をいただきました http://www.foocom.net/column/editor/8663/ 大雑把に言うと、昨今の品加工にまつわる様々な規制について認識が甘い農家が心配だというような記事です。 農産物を加工するのだったら、必ず知っておかなければいけない話だと思うが、これも厚労省マター。生産者や民間直売所だけでなく、普及指導員、JA職員の方々

  • 『「農家は自家消費用の野菜に農薬を使わない」のうそと本当とそのほか』

    どらねこさんのブログを読んでて思った話です。 専門家は危険なモノを知っている? http://d.hatena.ne.jp/doramao/20130124/1359006655 農業の専門家たる農家のおっさんが「農家はよそに売るための野菜には農薬を使うけど、自分ちでべるための野菜には農薬は使わないんだよ」とまことしやかに語るのは、おもに美味しんぼ界隈で見られるお話ですが、一般的に言ってそれは嘘です。 どらねこさんのブログでもその理由はいくつも示されていますが、さらに付け加えれば専業農家が生産する作物においては「自家消費用の農産物」をわざわざ作ることが少ないからです。野菜も米も、出荷できない規格外品が余る程あり、自家用どころか親戚や友達に分けることもできるほどです。 ただ例えば米農家が倉庫の離れでちょっとだけジャガイモを作って自家消費するとかそういうことはありますが、そういうのは出荷され

  • 大雨だから田んぼの様子を見に行く件 | 農家こうめのワイン

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 台風や大雨が来るたびに、けっこうな確率で「田んぼや用水路の様子を見に行って怪我する・亡くなる」方の報道があります。 1人の稲作専業農家として、そういう災害時に田んぼの様子を見に行くの気持ちは全く理解できないのですが、「なぜ農家が田んぼの様子を見に行くのか」というまとめがあり、それを読んで「農業って大変だなあ」と感想を持つ人もいるみたいで、驚きです。 農家が「ちょっと田んぼ見に行ってくる」理由 -NAVERまとめ http://matome.naver.jp/odai/2134207976414114901 ここに書いてあることは、例えば水量調節が大事など正しいといえば正しいのですが、大きく2点で「甘い」です。 まず第一に、突然予想だにしな

    大雨だから田んぼの様子を見に行く件 | 農家こうめのワイン
  • 『いまTPPについて思っていること』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 Yosyan先生の、TPPに関するエントリを読みました。もちろん開業医らしく、医療に関係する話題が中心になります。 私はやっぱり仕事柄、農業が気になるのですが、農業の場合TPP推進の方々は、損失分は補助金で補填すればよいだろうとの考え方でほとんど統一されています。 TPPにあわせて出された農業振興策(TPPとは関係ないと念押しされていますが)にも、10倍の規模拡大や輸出振興などと並んで戸別所得補償の拡充が載っています。 そもそも、所得再分配の最たる例と言える年金すら破綻させようとしている現在、そんな仕組みが今さら簡単に作れるのかの疑問が先に立ちますが、それよりもっと根的な指摘に、TPP第3章11条に「いかなる形式の農産品輸出補助金の再導

  • 『わけのわからぬTPP その3 海外での農業対策』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 TPP擁護論に、下手をすると韓国に置いていかれるというのがあります。韓国が締結するのはアメリカとのFTAでありTPPではないのですが、韓国車ってそんなに売れているのでしょうか。 その辺は実はよく知らないので、当に脅威なのかもしれませんし、加えて前回のエントリのブックマークコメントに「問題は機会損失だけではすまない」という、未来を懸念するかのようなものもあったのですが、その1に書いたように現在はTPP未参加にもかかわらず輸出は(アジア圏においても)非常に堅調であり、リーマンショック以前ですがトヨタは世界一の自動車会社になったこともありました。 単純に言えば、そのように好調な業界の将来のしかも未知の懸念のために、なぜ絶不調な農業業界が確実な

  • 『わけのわからぬTPP その2 民主党の某議員』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 以前、民主党の某議員がtwitter上で、「TPPを論ずるなら最低限これを読め。これを理解してない評論を私は取り上げない」というような事を言っていました 。 「これを読め」は何かと言うと内閣官房が出した各種試算のまとめ(http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/101027strategy02_00_00.pdf )と、シノドスジャーナルに載った 「政府試算から考えるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の是非 片岡剛士」(http://synodos.livedoor.biz/archives/1587849.html )です。 最低限これを読まねば論外、と言うほどのものなので何とか読みましたが

  • 『わけのわからぬTPP その1』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 今、農業業界にいてよく聞こえてくる話題はもちろんTPPです。大雑把に言って農業業界は反発、それ以外の所は賛成と言うような色分けですが、まあそれはそれとして色々調べてみると、報道や何やらで説明されている要件がやたらに大ざっぱなのではないかと疑問です。 私は提起された当初は「農業にとって厳しいのは間違いないが、でもまあ仕方ないかな」と考えていました。が、今は「農業がどうとか言うより、そもそも誰が得するの?」と思っています。 TPP参加については「開国か、鎖国か」と言うような言い回しがよく使われます。仮免総理大臣も「平成の開国」と言っていましたが、こういう言い方で「じゃあ鎖国で」と答える人はそうそういないでしょう。もうこの時点でおかしいのですが

  • 『稲作専業農家になるには』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 先日、山田前農水相が農業の戸別所得補償制度で農業人口の増加を目指すような事を言っていました。今現在はこの補償制度は稲作だけに適用されていて、畑などへはまだこれからの話です。そちら方面に対してはいかなる制度設計になるのかまだ分かりませんが、稲作のと同じように面積の多寡が効くような制度では大臣が望むような成果は上がらないでしょうし、そもそも現時点で稲作への戸別所得保障制度は結局は米の価格を下げる口実にしかなっていません。 今の制度は10aごとに15000円の補償と、米価が大幅に下落した場合の補填になっていますが、下落の基準は過去数年の平均価格なので、米価が徐々に下落していけば基準のほうも徐々に下がっていきます。 近年米の価格が上がったためしは

    shadow-toon
    shadow-toon 2010/09/28
    "稲作で食っていこうとするのはもしかしたら国会議員になるより難しいかもしれません。"
  • 『モフモフ療法の光と影』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 モフモフ療法の世界的権威である道良 寧子氏が先日、新聞上でインタビューに応えて日のモフモフ療法の歴史について語っているhttp://d.hatena.ne.jp/doramao/20100817/1282048475 。しかしモフモフ療法は世界各地にその起源を主張するものがあり、現在では起源について一つの確固とした何かがあるわけではなく、各地で類似したものが自然発生的に起こったとする説が有力である。もっとも、「モフモフ」という名称はほぼ全世界で共通であり、この点は社会言語学者たちから熱い注目を集めている。 ここでは主に米国と中国におけるモフモフ療法について紹介しよう。 アメリカにおいて最も有名な、モフモフ療法の推進者として知られるのは作

  • 『アイガモ農法の問題点』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 最近はあまり聞かないような気がしますが、以前アイガモ農法が話題になったことがありました。 アイガモ農法とは、田んぼにアイガモを放って雑草をべさせて、除草剤を使わずとも除草の手間を省くとされる農法です。 特に私の印象に残っているのはマンガ「夏子の酒」のラストに登場した場面で、有機農法に対する希望みたいな扱いでした。確かにアイガモ農法=有機農法みたいなイメージは一般にあるようですが、実はそうとも限りません。 私個人の考えでは、アイガモ農法は良くも悪くも観光農法(慣行農法にあらず)です。アグリツーリズムみたいなものを企画するとして、アイガモの田んぼほど楽しく可愛い見ものはそうそうありません。そしてそこで出来た米に興味を持ってもらえることも不思

    『アイガモ農法の問題点』
  • 『BLコシヒカリ、爆発的大ヒット!全農新潟は困惑も?』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 いもち病への耐性を付加した新潟県の新品種である「コシヒカリBL」が東京都は東池袋の3丁目付近で爆発的な売り上げを記録していることがわかった。ただし当の全農新潟県部 JA全農にいがたでは「売れていることに文句をつける謂れはないが、それにしてもなぜ売れているのか理由がわからない」と困惑気味だ。 そもそもの発端は、全農新潟の米穀販売課の新人職員である女性が、コシヒカリBLを是非池袋で売ろうと強烈にプッシュしたためだという。販売会議の席上で「名前だけでもインパクトがありますが、袋のイラストにもこだわればきっと販売は拡大できます!」と主張する彼女の迫力にベテラン職員もたじたじ。ある職員は「Blast resistance Linesのどこにインパ

    『BLコシヒカリ、爆発的大ヒット!全農新潟は困惑も?』
  • 『トキと農薬』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 入院前に参加したとある会合で、最近就農されたある若手農家のお話を聞きました。なんでも大学で環境について勉強したらしく、卒業して農業に携わり、再びトキが繁殖できるような農業環境を目指したいとか何とか言っていました。主に無農薬とかの方面で。 いったい大学では、その手の「環境問題」について何をどう教えているのでしょうか。 野生の動物が生きることを第一義に考えると、耕作放棄地こそがもっともその任に相応しく、農業などすべきではないのではないでしょうか。もちろんそれは極論で、来は共生していく中でのバランスを考えて・・・と言う話なのでしょうが、件の彼に限ると耕作放棄はイクナイ!ようでした。野生の動物のためにわざわざ人工で環境を整えてあげなければならな

  • 『もやしもんで食料自給率その2 誰が誰に?』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 以前書いたネタのフォローです。 http://ameblo.jp/vin/entry-10339255403.html というわけでマンガ「もやしもん」での料自給率議論の回について。 「料自給率が40%を切った!低すぎる!!」と言うような主張を批判するに当たって、取られる理屈には大きく2つがあります。 一つは「実は自給率は低くない」というもの、もう一つは「自給率なんて数字そのものが何の意味もない」です。私が以前のエントリで書いたのは前者の理屈に対応したものだったのですが、実際にもやしもんで繰り出されたのは後者のお話でした。これならOKで、よくわかります。 というわけで以前のエントリは空振りに終わりましたが、しかし後者のお話に似たような

  • 『米国FTAと農家戸別保証@民主党』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 選挙前、民主党としてはFTA締結しても重要品目は対象から外すと言い、しかし小沢一郎はんなもん知るかとばかり「農産物も自由貿易対象とする。戸別保証前提だからだいじょぶ」と豪語しました。ところで西松問題はどうなった。 私の理解では、FTAがどうたらこうたらと言っても結局簡単に言うと、アメリカからもっとたくさんの穀物を買うことです。で、日の農産物の価格が下落した分を補償する、だから大丈夫という理屈ですが、石破農相は「そんなの、誰が、どうやってやるのかサッパリわからない」と言っていました。民主党のマニフェストを見てみると、 http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/txt/manifesto2009.

  • 『キサマがいる場所は我々が20年前に通過した場所だッ!』

    農家こうめのワイン 農家による農家のための・・・・なんだ?しがないイチ百姓による農業ネタ&農業ニュース評論。ワインと日酒の飲んだ感想や日々の雑記つき。 「農業経済に詳しい専門家」などがよく言うことですが、 米価を下げて零細農家を潰し、そのぶん農地を大規模専業農家に集めれば農家の収入は増え消費者も安い米がべられ八方丸く収まる てな話があり、納得している方もそれなりにおられるようです。理屈の上ではそう間違っているようには見えないのですが、私に言わせれば、これはすでに実行されて、しかも完了しています。 実は米の生産者手取り価格ですが、20年前は現在の1.5倍近くあったというのは皆さんご存知でしょうか?しかも、これは額面の上だけでの話であり、物価や通貨価値のほうも考慮すれば実態の収入はもっと多かったと言えます。 では20年前の農家は、現在の1.5倍以上の収入でわが世の春を謳歌していたのでしょう

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