ベル・フックスの『フェミニズムはみんなのもの―情熱の政治学』(新水社)―原題はFeminism Is for Everybody: Passionate Politics―は、白人の女たちが言ってきた「女性差別」に異議を唱えてきた果敢な黒人女性たちの姿が書かれている。この本は、日本での女性差別問題に絡む抜け落ちた視点をえぐるものにもなっている。特に、ネット上のネトフェミはこの本を何度も繰り返し食い入るように見て、何を言っているのか、何が問題なのかを考えながら、訴えている意味を少しでも理解したほうがいい。この本は、当サイトで言っている反省の女性学の視点とも非常に重なったことが書かれている。この本は、フェミニストが書いた本の中でも特に優れた内容になっている。 ベル・フックスは黒人女性のフェミニストの一人として、こう言っている。 人種の問題や人種差別の現実を自覚するよう、フェミニストたちに要求し