東西ドイツ統一の立役者だったヘルムート・コール元独首相が16日、死去した。87歳だった。ドイツ主要メディアが報じ、与党キリスト教民主同盟(CDU)が公式ツイッターで哀悼の意を伝えた。 1989年のベルリンの壁崩壊後、1年足らずで悲願の東西統一を成し遂げ「統一宰相」と呼ばれた。国民の人気も高く、在位は戦後最長の16年間に及んだが、退任直後に発覚した巨額のヤミ献金疑惑では真相の多くを語らず、政界の表舞台から姿を隠した。 30年、独南西ルートウィヒスハーフェン生まれ。地方官吏の家に育ち、フランクフルト大学などで政治、歴史学などを学んだ。10代後半でCDUに入党。州首相やCDU党首を経て、82年に旧西独首相に就任した。 ベルリンの壁崩壊にあたっては、旧ソ連のゴルバチョフ書記長(当時)らと連携し、旧東独に駐留するソ連軍の介入を回避。90年10月には、米英仏や旧ソ連の首脳らを説き伏せ、東西統一を実現。
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