東電の福島第一原発事故後に福島で「100ミリシーベルト以下は安全」と言い広めた山下俊一医師が、チェルノブイリ事故後には、 低線量被ばくが続くことへの危惧 と、 小児以外の年齢層の甲状腺がんやその他のがんの増加に対する懸念 を表していたのをご存知だろうか。 山下医師のこれまでの分析に基づけば、これらの危惧や懸念は日本には当てはまらなかったが、そう言い切るための根拠が、3月31日に行われた民間団体「3・11甲状腺がん子ども基金」(崎山比早子・代表理事、上写真中央)の発表を通して崩れてきた。 低線量被ばくと他のがんの懸念 チェルノブイリ原発事故から14年が経過した2000年、山下医師は「 チェルノブイリ原発事故後の健康問題 」とした報告(*1)を次のような言葉で結んでいた。 「事故による直接外部被ばく線量は低く、白血病などの血液障害は発生していないが、放射線降下物の影響により、放射性ヨードなどに