今回のコラムで取り上げるのは、「赤子」ではなく「高齢者」に関連するリバース・モーゲージについてである。リバース・モーゲージとは、「逆抵当融資」などと訳され、自宅不動産を担保にした借入金を、年金のように定期的に受け取ることができる融資制度で、ポイントは担保に差し入れながらも、そのまま自宅に住み続けられることである。そして、貸付を行った金融機関は設定した貸付期間(終身もしくは有期)終了時に担保権を行使して貸付金の精算を行う。同制度は(1)高齢化の進行による公的年金制度の給付水準の実質的な引下げ予想、(2)高齢単身者世帯の増加、(3)金融資産は少ないが住宅資産を持つ高齢者世帯の特徴、などを背景に、年金制度を補完する仕組みとして期待が高まっている。最近では、震災復興のためにもこの制度の活用が提案されるなど(※1)、脚光を浴びつつある。 しかし、そもそもリバース・モーゲージの仕組み自体は決して目新し
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